NTR彼女と別れてから出会った彼女が、とにかく可愛すぎて困ってます(ただし、少し不思議ちゃんな模様)
中村 青
第1話 紹介してくれた先輩にNTRされるとかマジですか?
「なぁ、
確認するように聞かれた問いかけに、妙な胸騒ぎを覚えた。
俺、
それこそ付き合い出して3ヶ月が経過しようとしていたが、何でこんなことを聞いてくるのだろう?
「最近、ちゃんと連絡取り合ってるか?」
「一応は……何でですか?」
介護職に就いていた俺は、夜勤なども多くマメに連絡をする方じゃなかった。
そんな事情を知った上か、雪世も連絡不精気味で一週間音沙汰なしもザラだったが、これは連絡を取り合っていると言ってもいいのだろうか?
久々に会ったバイト仲間であり、数少ない親友でもある
「確か、お前にとって初めての彼女だったよな? もうエッチもしたのか?」
「何すか、それ。何で彼女との下事情を慎司さんに話さないといけないんですか?」
「それによってお前のダメージが大きく変わるんだよ。言え、この際全て洗いざらい白状しろ! お前は童貞か? それとも非童貞か⁉︎」
言いたくないわ、そんなこと!
だが、この問題が非常に際どいラインでもあった。
実はシたはシたのだが、前戯がネチっこくて気持ち悪いと罵られて終わったのだ。
軽いトラウマを植え付けたまま終えた初体験。
そんな彼女の話題だったので、気になる話題だった。
「——やったな、お前やったな? あぁー……もうダメだ。お前、彼女寝取られてるわ。最悪、もう救いようがないわ」
え、待って? 何それ?
全然話が見えてこないんですけど?
「あのな、お前の彼女の雪世ちゃんだけど、
「——は?」
その人は、俺に雪世を紹介してくれた張本人なんだけど?
『田中、お前彼女とか出来たことないだろう? 特別に女友達紹介してやるよ』
そう言われて付き合ったのが雪世だったのだが、相談って……何を?
嫌な予感が脳裏を過り、悪寒が止まらなくなった。
考えたくもない……そもそも永吉先輩はとても面倒見のいい、皆の兄貴的存在なのだ。
きっと頼りになる先輩だから、雪世も永吉先輩に相談を持ちかけたんじゃないだろうか?
そうだ、きっとそうに決まっている。
だが、そんな俺の希望を打ち消すかのように慎司さんは否定的に首を振った。
「永吉がな……『田中って見かけ通り陰険でネチネチなエッチばかり強要するらしいぞ? 根暗のムッツリって気持ち悪いよな』ってバイト仲間に話してたぞ」
——え? 嘘だろう……?
「他にも色んなことを言いふらしてたから、俺もまさかと思ったんだけど」
あまりのショックに倒れそうだった。
嘘だろう、だって先輩は——女っ気のない俺のことを心配して紹介してくれたのに。
俺は真意を確かめたくて、そのまま永吉先輩の家を訪ねることにした。
チャイムを鳴らしてしばらく待っていたが、その際も目の前がグルグル回って頭が真っ白になっていた。
実際はほんの数秒だったのに、何分も何十分も待たされたような疲労感が襲っていた。
だが、絶望はそれで終わりではなかった。
扉を開けた時に姿を見せたのは、ラフな服でくつろいでいた雪世だった。
突然の訪問に、彼女も酷く驚いた表情を見せてきた。
「た、田中くん。何で……!」
「——それはコッチのセリフだよ。何で雪世が永吉先輩の家にいるんだよ」
しかも事もあろうに、雪世の服装は彼シャツ状態。大きめの白シャツはおそらく永吉先輩のものだろう。
露わになった太もも。はだけた胸元。
全部が気持ち悪くて仕方なかった。
「なんだ、雪世ー。お客さん?」
「えっと、その、実は——……」
奥から聞こえてきた永吉先輩の声に怖気ついてしまった俺は、そのまま逃げるように踵を返してしまった。
こんなの、否定する余地もない。
俺は……永吉先輩に彼女を寝取られたんだ。
その後、絶望に伏せた俺は、何日も部屋に篭って引き篭もっていた。食欲もない、起きる気力もない。
もちろん雪世から言い訳が来る事もなく、俺達は自然消滅することとなった——……。
———……★
「もう、誰も信じたくない……(鬱)」
お読み頂き、ありがとうございます!
コチラ、明日、その花をライトにした話でしたが、執筆していくうちに別物になったものです。よろしければお付き合いよろしくお願い致します✨
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