生き返る方法
「俺が死んでない?」
驚愕の事実を知る事になった。
俺はトラックに轢かれて死んだと思っていたがクソ神が言うには俺はまだ死んでいない様だった。
「はい、アナタは死んでません・・・いや、厳密に言えば半分死んでます?」
「半分死んでる?」
頭がさらに混乱する事を言い出す。
「簡単に説明するとトラックに轢かれたアナタは重症は負いましたが奇跡的に命は救われたのです。
がしかし、トラックに轢かれたアナタはその衝撃で魂のみが分裂、そしてたまたまアナタの世界と私の世界を繋ぐゲートにアナタの魂が入りこの世界に紛れ込んでしまいました。ですからアナタの元の世界では体は元気ですよ。」
『体は元気』何か引っかかる言い方だ。
しかし、安心したならこの世界から戻れば俺はまた両親や妹、そして友人に会えるんだな。
さすがに別れも言えずに死ぬのは嫌だった。
死ぬ事も、もちろん嫌ではあったが別れを言えずに死ぬ事の方がもっと嫌だった。
「なるほど・・・じゃあ、俺が元の世界に戻って自分の体に入れば。」
「はい、無事に元通りの生活に戻れます。」
「なら、元の世界に戻してくれ。」
「それは出来ません。」
なんでだよ・・・
俺の願いは無情にも却下された。
なにか、俺がこのクソ神を怒らせるような事をしたのか?と考える。神を殴ろうとした事、神をクソ呼ばわりした事、思い当たる事しかなかった。
チッ・・・仕方ない、今から媚びを売るか?
そんな事を思っていると空飛ぶLED が俺に話しかけてくる。
「媚びを売っても無駄よ、だって神様は意地悪でアナタを元の世界に戻さない訳では無いもの。」
「はい!?じゃあ、なんで俺を元に戻さないんだ?」
俺の質問に対してクソ神が出した返答は・・・
「戻さないではなく、戻せないんです。」
「戻せない?なんで、入って来た道から戻ればいいじゃないのか?」
「そう簡単にいきません。異世界人の魂を呼ぶ為に世界には入りやすなっています。がその反面こちらから元の世界に戻す事が出来ないんです。神などは簡単にアナタの世界に行けるんですけどね。」
そんな・・・
俺は絶望した。
一度【生き返る】と希望を抱いていた分、その希望が打ち砕かれたその反動は凄まじかった。
そんな苦悩な表情を見たクソ神が俺に再び希望を与える事を言い出した。
「そう、落ち込まないで下さい、何も生き返れないとは言ってないではないですか?」
「はい?」
「アナタには転生と言う方法があります。」
「転生?」
転生・・・その意味をよく理解していた。
「実は世界と言うのは数千と存在します。あなたと私が住む世界もその一つです。」
「数千・・・そんなに!」
「はい、そしてそれぞれの世界で転生する条件が異なります。」
「転生に条件なんてあるのか?」
「もちろん、基本的には死後に他の世界にランダムで転生する事になります。私の世界も死後にランダムに転生する事になったいます。」
「なるほど、じゃあ一度この世界で死ねばいいんのか?」
「いえ、その場合ですとアナタは転生先がランダムになってしまいます。なので数千分の一の確率を引かないと元の世界に戻れなくなります?」
「じゃあ、どうすればいいんですか?」
「簡単ですよ、褒美をもらう事です」
「褒美?」
「はい、褒美とはそれぞれの世界の基準で良い行動を行ったレベルに対して願いを叶えられるシステムです。逆に悪い行いをすると転生先を選べないのはもちろん、魚や家畜などの搾取される者に転生してしまいます。」
俺は世界の理を知り感激していた。
俺の世界では死後に天国、地獄が存在し前世の行いが良ければ天国、悪ければ地獄と言われているのが一般だったが実際は違い、善悪の行動で転生後の人生が決まるようだった、
だったら、俺の世界で『容姿、財力、才能』などを持っていた人物は前世に良い行いを重ねて来た者たちなのだろう。
なら俺の妹は容姿が整っているので前世に善行を積んできた事が分かるな、確かにゆきは性格がいいからな。
「じゃあ、俺はその世界で良い行いをすればいいのか?」
「はい、と言いたいのですがアナタの場合は少し違います。」
なぜか俺の場合だけうまく事が進まない様だった。
とりあえず、今はクソ神の話を静かに聞く事にした。
「アナタの場合は転生先を選ぶ上に魂だけを転生させると言う複雑な状況なので普通の善行だけでは褒美レベルが足りません、なので最上級の褒美を貰う善行をする事です」
「最上級の褒美?」
「はい、その褒美を貰う善行とは魔王討伐です」
魔王討伐・・魔王討伐・・・・魔王討伐かぁ、、、
「それしか方法はないのか?」
「はい」
いやだぁぁぁ
クソ、魔王討伐ってっ事は俺が異世界で冒険しないといけないのかよ、、マジかよ、それだけは嫌だ。
あんな転生ストーリーの主人公みたいな生活死んでもごめんだ。
仕方ない元の世界の人とはお別れするか。
すまんなみんなやっぱり俺には無理だ、普通に魔王を討伐するのも面倒だしな。
俺は生き返る事を諦める事にした。
「・・・やっぱり、俺このままでいい。」
「アナタからその回答が返ってくる思っていたのでこんな物を準備しました。」
そう言うとテレビモニターの様な物を取り出し、俺にある映像を見せ始めた。
「これは・・・・」
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