これから2

青色 モヨウ

第1話 荒んだ花にソーダを


  夕方の3時の排水溝の音


  雨が止まないしけた灰の空に僕は詠う


  「意味」は流れてしまっている。


  ベッドで重くなった足を眺めて


  明日の待ち合わせを夢見る


  散らかった花にソーダを。


  不意に蘇る過去の景色


  雑巾臭い机にうでまくら


  あの娘は僕の密かなシンデレラで


  今はもう知らないどこかのだれかで


  今はもう見えないラプンツェル


  枯れはじめの僕は何を思えばいいだろう


  だから僕はベランダに咲く荒んだ花に必衰を。


  荒んだ花にソーダを。


  


  


  

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る