第17話 神古竜八種との戦い
【絶炎竜グルノア】こと【グル】についていくと大きな広間に出た。
そこには大きな円形の机があり、それを囲うようにおそらく神古竜たちであろう人型をした竜たちがいた。
「おい、皆よ。面白き人間を見つけたぞ。」
(大声で言わないで。怖いのよ。みんな魔力のオーラが濃すぎなんだよ。
すると緑の髪に緑の目の男の見た目をした竜が口を挟む。
「冗談はよしてくれ。天界に人間なんぞいるわけないだろう。と言いたいところだが、本当にいるとはな。早く外界に返してやれ。」
「それがよ、こいつ我が戦いをしようと言ったらな。我のみではつまらないから八匹で一気にかかってこいって言いやがったんだ。」
【グル】がそう言うと橙の髪をしたお姉さんが怒り気味な口調で口を開いた。
「あ?命知らずもいたもんだね。私が直々に叩き潰してやろうかしら。」
「まあまあ。彼は我々のこの魔力のオーラすべてを受けても苦しそうな様子をしていない。それに第一天界に肉体が耐えている。なら彼がそれなりの実力があることは確か。まあ我々には及ばないでしょうけど。」
それをなだめるように水色の髪をした知的そうな男が話し出す。
「はいはい。そこまで。静かにしなさい。あの人間も困っているでしょう?」
他の竜たちに注意した竜は銀髪の女の子?の見た目をしている。
それにしても奥にいる黒い髪の男の人見た目をした竜と金髪の天使のような見た目をした竜はずっと黙っている。何かしらの意図があるのだろうか...。
見た目からして闇属性と光属性の子なんだろうが、どうなのだろう。
「皆よ。少々黙られよ。この人間に自己紹介をしろ。誰が誰だかこいつにはわからないだろう?」
すると緑の髪をした男の竜が立ち上がった。
「...いいだろう。俺は【災風竜ウィルベド】だ。次に隣の橙の髪をしている女が...」
「...【地帝竜グラ厶】だ。人間風情に名を名乗るなど屈辱だ。」
そういう【グラム】を横目に話し出す水色の髪の竜。
「僕は【水甩竜ショウ】だ。よろしくね人間。」
なんかいやだな人間呼び。僕もあとで皆さんのあとに自己紹介しようかな...。
そんなことを考えていると銀髪の女の子のような竜が丁寧に挨拶してきた。
「私は【雷轟竜サン】です。よろしくお願いします。」
うん。サンはいい竜みたいだ。丁寧だし。話が通じる。
そんな感じで残りがあの二人となった瞬間だった。とてつもなく濃いオーラが周辺に漂う。これが、闇と光の竜の力。戦うとき少し厄介だな。
「人よ。われこそは闇を操りし神古竜【暗闇竜ゾルダ】だ。よろしく頼む。」
「私が光を操る神古竜【聖星竜プリムラ】です。よろしくです。」
...貫禄がすごいな。他の神古竜とは全然違う。ここまでの威圧感は久々だ。
ちなみに全員【鑑定】してみたが皆【隠密】で隠していた。さすが[神古竜]
「では、僕も自己紹介を。名前はツカサという。女神が君たちを外の世界に連れ出してって言ってたから、力ずくで外に出しにきたよ〜。...あれ?よく見たら一人いない?無属性の竜は...。」
「「「「「「「.........」」」」」」」
ありゃ?みんな黙っちゃった。なぜか気まずい空気が漂ってしまった。なにか言ってらまずかったのだろうか?
するとその空気を破壊するように突然テレポートして現れたのは小学生くらいの見た目をした女の子だった。
「あれれ?なんでこんなところににんげんがいるのぉ?」
それを見た他の竜はなぜか焦り始めた。...てかこのオーラおかしいぞ。他の竜たちが萎縮している。こいつもしや...。
「あっそのムーちゃんちょっとあっち行っててね?人間なんて気にしなくていいから、ね?」
「そ、そうですよ。人間さんはおいておいてお部屋に戻りましょうね〜?」
竜達が部屋に返そうと必死に説得し始めた。フム。名はムーというらしい。
「や、やだあ!あたしはにんげんとおはなしするの!」
「い、いやあ、人間さんも今日は疲れてるから明日とかに――」
「いやあだぁ。ムーはにんげんとおはなしするのお。」
あれまあ床にひっくり返って駄々こねてるよ。まるで小学生。いや見た目は小学生か。...僕の予想だと多分こいつがいっちゃん神古竜の中で強いのでは?
一応鑑定して見るか。まあどうせ見れないだろうけど――
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【名前】:ムーサルト・グライアス Lv????
【種族】:神古竜
職業:????
HP:???? MP:????
体力:???? 敏捷:????
運:????
装備:なし
スキル:【神古竜の一種】【女神の加護】【無の極地】
【竜王】【封印者】
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――って見れた!?なんで?
僕にステータスが似ているぞ...強すぎてステータスがバグっている。
ん?竜王!?まじかよ。だからこんなにみんな焦っているのか?
...なんだ【消】って何もわからない。【封印者】ってなんだ?
う〜ん話しかけてみるかとりあえず。
「ムーちゃん。こんにちは。僕はツカサ。よろしくね。」
「にんげん。どうしてあなたはつよいの?わたしとおなじぐらいかそれ以上だよね。そのつよさ。」
「えっと僕はツカサ...え、?」
驚きすぎてそれ以上喋れなくなった。彼女には僕の実力がわかるのか?
「にんげん、わたしとしょうぶしろ。わたしにかったらみんなで女神のところにいこう。ひきこもらないとやくそくする。」
「...あぁいいだろう。やってやる。」
僕はそう言いながら空間を作る。彼女と僕だけがその空間に入る。外からは見えないようにした。この戦いを見せたくないからな。
久々に本気でいけそうな気がした。かつて日本の神と戦ったとき以来の高揚感。
本気でぶつかれるかもしれない相手を見つけた。それだけで気持ちが高ぶってきた。
「さあお互い本気でいこう。出し惜しみはなしだ。」
「わたしはうれしい。10000ねんぶりにほんきだせるあいてとあった。にんげん、いやつかさきみとのであいにかんしゃを。」
「なんだ。子供っぽいと思ってたのに中身は違うみたいだな。」
「ああ。わたしをなめないほうがいいよ。」
「もちろんさ。」
この言葉が終わった直後戦いの火蓋が切られた。
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