母と妹
「ねえねえお母さん」
「うん?どうしたの?」
「おにいってさ」
「うん」
「大丈夫かな?」
「――えっ?」
晩ごはんを作っていたお母さんに声をかけた私。
わたしの問いにお母さんは少し戸惑ったような表情で反応した。
意外な問いだったのか。お母さんは手も一瞬止めていた。
「いやさ。だっておにぃ全く彼女作らないじゃん。というかもしかして異性の友達いないんじゃない説だよ?」
「――ふふっ」
戸惑ったような表情――は何故かすぐに笑い?に変わった?
不思議だったけど私はそのまま話を続けた。
「おにぃって昔から私としかいないじゃん?」
「そうねー。何をするにも一緒ねー」
何故か急に微笑みだしたお母さん――も、ちょっと謎だけど。まあいいか。
「でも私以外の異性の人の話なくない?そもそも友達見たことなくない?もう高校生でしょ?大丈夫なの?このままいくとおにぃ。一生1人じゃない?」
とにもかくも私が気にしているのは、このままだとあんなに優しいおにぃが一生1人の可能性があるからだ。
私が小さいころからいつも一緒に居てくれるおにぃ。
気が付いたら隣にはおにぃというレベルだ。
お父さんとお母さんが留守の時はいつも一緒に入れてくれるし。絶対私に寂しい思いをさせないようにしていると思う。
言い出すといろいろエピソードはあるのだけど。とにもかくもおにぃはめっちゃ優しくて良い人。ずっと一緒に私なら居たいと思う人――なのにだ。
おにぃは昔からというか。いや――なんというか。とにかく昔。それは物心ついたころというのか。私の知る限り。おにぃは基本私と居ることを選んでくれている。私はそれがめっちゃ嬉しいけど――でもふと思った。
あれ?このままだと。あんなに優しいおにぃが私のせいで一生1人――説。と。そんなこんなで思い浮かんだのでふとお母さんに話してみたのだが――。
「ふふっ、まあ大丈夫でしょ」
「お母さん。いいの?おにぃ取り残されるよ?」
「何とかなるわよー」
「もう」
どうやらお母さんあまり真剣に考えてない様子だ。
明らかにこのままだとおにぃは取り残される。
私的にはそれはそれでもうしばらくおにぃと一緒――って、そんな事思っていたら私やばい子にならない?なるよね?おにぃラブって?いやいや問題起こるよね。うんうん。
でも――まだちょっと私が独り占めしていい?うん。私まだ中学生。甘えるのよし――って、そうか。おにぃから離れてくれるといいのか。私からは突き放せないから――よしよし――――って、どうしよう?
嫌われるのはダメ。でもおにぃに他の異性も気になるように――うーん……。
「――――ムラムラさせたらいい?」
◆
中学の時の私は何を思ったのか。
今思うとやばい奴だなーだけど。
結果この後くらいから、私はいつもの日課だったおにぃを起こす(お父さんのせいでめっちゃ早起きだけど――でも慣れたら余裕。だっておにぃを起こす任務は大切だし。やりたいし)の中に、おにぃのベッドにちょっとお邪魔して、仁王立ちを追加した。
――まあ実はそれまでもちょくちょくおにぃの上にダイブとかはあったから。あまり新鮮さはないかもだったけど。
朝からちょっとおにぃにサービス――って、やっぱりわたしヤバい子だよね?なんでこんな事してるんだろうか?ホント謎――自分の事なのに――なんで、おにぃにパンツ見せたら。おにぃが他の異性にも興味を持つを私は思ったのだろうか?
いや、馬鹿すぎるんだけど――自分の事なのに。
でもさ。
おにぃ何も言ってこないわけ。
もしかしたら見えてなかった?だけど、マジで何度しても反応しないわけ。
もしかしておにぃ。私と一緒にお風呂とか昔から当たり前のように入っていたから。もう耐性?が出来たというか。女の子の身体見たくらいじゃ反応しなくなった?だから布切れなんて効果なし?とか思っちゃったわけよ。
あっ、さすがに最近は――あれ?おかしいな。一緒に入った記憶がなんか――いやいや。私は何を誰に話しているのか。そう。それは私のご褒美――じゃなくて。そう家族だから。
うん?なんかおかしなこと言ってる?
まあいいや、とにかく。
私のおにぃ。ちょっとやそっとでは何も反応しなかったと。
そして気が付いたら私高校生!って、高校生になって何してるねん!だけど――なんかさ。反応されるまで続けたいというか。途中でこっちが辞めたら負け?見たいじゃん。それに――別におにぃに見られるくらい何ともだし。それこそお風呂に一緒に入る仲だし?
だから――とにかく、おにぃが反応するまですることにしたんだけど――さすがに反応しないから。ちょっと今週あたりから最終手段じゃないけど。いろいろ色を追加してみたわけ。
というか、なんで私は1色しかそれまで持っていなかったのか――って、私はマジで誰に何を言っているのか?
――おにぃのせいで無駄なこと考えすぎたかな?疲れてる?
とりあえず――おにぃ早く反応しないかなー。
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