オブジェクト・アビリティ
アトラ
第1話 黒青の支配者
俺は高校2年の奈津影悠陽。
半年前日本で大流行していたVRMMOゲーム「バーサス」で誰もなしとげたことがなかった週間ランキング1位を5週連続で獲得し、ニュースで大きく取り上げられた張本人であり、顔を隠し黒をベースにした青いコートを着ていたことから黒青の支配者と呼ばれていた。
このゲームは1v1型の対戦ゲームで武器を使ってランダムに出てくる相手のウィークポイント3つを全て壊せば勝利となりランキングを上げていくというゲームである。
だが6週目は結論から言うと1位にはなれず大きく差をつけられ2位という結果になった。いままでTOPを維持し、無敗だった俺がなぜ2位だったのか。
それは6週目にて参戦してきた「フォルテ」という謎の人物だった。相手は俺と同じ武器そして同じ装備をしていた。自分も顔を隠していたが相手も顔を隠していた。
(俺と同じ装備を使えば勝てると思ってるのかこいつは)
そう思っていた俺だったが不思議なオーラを感じ取っていた。今までに経験したことのないような不気味さを。
3……………2………1……FIGHT!
戦いが始まった瞬間自分から攻撃を仕掛けに行ったが相手は微動だにしていなかった。
(隙だらけじゃないか)
斬りかかったその時相手はいつの間にか消えていた。
「は……?」
全くもって動きが見えなかった。気がつけば俺のウィークポイントは全て割られ、相手は自分の後ろに立っていた。
(コイツ何者だよ…)
相手は何も言わずに立ち去っていった。自分より更に上がいたことに驚いた。俺は初めてこのゲームで敗北したのだ。
「意味わからねぇよ…どう考えても不正だろ…」
俺は負けた屈辱感でモチベーションが無くなりこのゲームを引退した。
ニュースでは謎の剣士であるフォルテが取り上げられた。
(新しい黒青の支配者やべぇ〜!)
(あいつあんなに弱かったんだな)
(5週連続1位はまぐれだったか〜)
などとSNSなどでは嫌なコメントが多く飛び交っていた。学校内でも話題となっていたが別のことを考え聞かないようにしていた。そして俺はしばらくゲームを拒絶し平凡な生活を送っていた。
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