神様の手違いで転生しましたが男でした。

第1話 この国の王太子１

エベレス王国（おうこく）には、お世継（よつ）ぎになられる王太子（おうたいし）がなかなか誕生（たんじょう）されませんでしたが、今年（ことし）、待（ま）ちに待（ま）った王太子が産声（うぶごえ）を上げられたのです。

名前はアーチボルト・ルドベキア・エベレス王太子です。

国中が喜び歓喜（かんき）に包（つつ）まれていました。

アーチボルト王太子は６番目でやっと男（おとこ）の子が生まれたのです。

上のお姉様（ねえさま）は７歳おてんば娘のシャーリー王女。

６歳の、はにかみ屋のエイミー王女。

５歳おしゃべりなジュリアン王女。

４歳双子のアイリーン王女とマーガレット王女です。

王族全員参加のパレードまで、されましたが王太子殿下（おうたいしでんか）はまだ参加できませんので絵師（えし）に王太子殿下の姿絵（すがたえ）を描（か）かせて民（たみ）に配（くば）りました。

*

１５歳になった、ある日の夕方アーチボルト私は、はっきりと悟（さと）りました。

この世界とは違う地球から神の手違（てちが）いで魂（たましい）を入れ替えられていたのです。

私は地球に住んでいた柊（ひいらぎ）鈴子（すずこ）、女子高生１７歳小太（こぶと）り眼鏡（めがね）女子（じょし）で男子（だんし）に人気は、まったくありませんでした。

今の状態はアーチボルト・ルドベキア・エベレス王太子、生まれたときから１５歳までの記憶と柊鈴子（ひいらぎすずこ）１７歳までの記憶がごちゃ混ぜです。

人間に転生したと思っていたら、メダカだったのは覚えてます。

＊

朝、目覚めると女性が現（あらわ）れて侍女（じじょ）マリアだと思います。「アーチボルト王太子殿下（おうたいしでんか）、おはようございます朝です支度（したく）いたしましょうね」

「おはよう」

長髪（ちょうはつ）の金髪（きんぱつ）で、瞳（ひとみ）は碧眼（へきがん）、身長１７０㎝くらい。

姿見鏡（すがたみ）に映（うつ）る自分の姿を見て今日もイケメンだ。

気になるのは地球の私の身体（からだ）です、死んでいる？仮死状態（かしじょうたい）で病院の一室で入院しているのかな？それとも本物のアーチボルトが私の身体で過ごしている？

まあ、このアーチボルト王太子殿下は、イケメン男子だから良いかもしれませんね。

今の彼は、この私、柊（ひいらぎ）鈴子（すずこ）なんですから。

子供の頃から、女性より男性を好きになっていたようで初恋の相手はアーノルド・ミュラー近衛騎士団団長（このえきしだんだんちょう）の息子ミレイユ・ミュラー１３歳と、クラスは同じで席は彼の後ろだった。

今はクラスは別々になり話すことも無くなりましたが、時々彼の訓練様子を見学しては切（せつ）なくなっていました。

今なら中身、元女の子だから初恋が男の子は納得（なっとく）できる。

私が女の子で告白して思いっきり振（ふ）られたら諦（あきら）めがつくのですが、この国の王太子で男です、きっと『気持ち悪い！』とか言われて振（ふ）られたら立（た）ち直（なお）れないな。

それに次の日、学院で噂（うわさ）流（なが）されて学院退学（がくいんたいがく）して城に引きこもる、かもしれない、あああ国中で・・・・・・新聞の一面を飾りそんなことになったら、この国に居られないし姉上達の縁談（えんだん）が無くなるな！上２人はすでに嫁いでいるから心配ないが3人は婚約中だし絶対（ぜったい）、告白（こくはく）なんかしないぞ。

柊（ひいらぎ）鈴子（すずこ）は妄想（もうそう）を膨（ふく）らませていく傾向（けいこう）があり、とっても慎重（しんちょう）に行動（こうどう）しているのですが考えすぎてしまうところもあります、そこがまあ可愛（かわい）いところなのですが、まだまだ、お子様（こさま）な憎（にく）めない少女？少年です！？

お城のプライベートスペースで両親と、お茶を頂きながら今日の王宮晩餐会（おうきゅうばんさんかい）の相談をしていた。

「お父様、今日は晩餐会だと聞いていましたが僕も参加しないといけませんか？」

「アーチボルトも今日は参加した方が良いと思うがな」

王様はアーチボルトに一応、聞いてみた。