向かいのベランダ

紫閻-sien-

A 「お前ん家 いいよな 広くて 部屋も沢山あって」

Bが新しく引っ越した家に 遊びに来たA


あまりの広さに感激し ずっと家の中をウロウロしている


B「お前いい加減 落ち着いて座れよ」


そんなBの言葉に耳を貸さず 次にAはベランダに向かう


A 「ベランダも広くていいな 椅子とテーブル置いてくつろげそう」


そう言いながらウロウロしていると どこからか視線を感じる


どこからだろう キョロキョロしていると

向かいのアパートのベランダに女が立っていた


女はAと目が合うとにこやかに手を振ってきた

Aも思わず手を振り返す


その直後 ドスンと鈍い音がBの部屋に響いた


B 「おい どうした 」音を聞きつけ 慌ててベランダに出る


だがAの姿はそこになかった


嫌な予感がして 下を見ると

Aが血まみれで 地面に横たわっている


「なんで・・・」


ふと視線を感じ 前を見ると


向かいのベランダで女性がニコヤカに手を振っている


「アナタモ ハヤクキテ」女はそう呟いた


その声は何故かBの背後で聞こえた


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向かいのベランダ 紫閻-sien- @sien702

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