第6話:「合流、TS防衛オフィサーズ」
(TS)おっぱいがいっぱい。
――――――――――
装脚機縦隊が到着したのは、街の大きな主要街路が交差する十字路。
大小の建物に囲われ、元は賑わい栄えていたであろうその区画周辺は。しかし今は御多分に漏れず、そこかしこが痛々しく損壊していた。
そしてそこを現在占拠するは、この王都を護る騎士団でも、侵攻の手を伸ばした魔帝軍でも無く。
第1空挺団、第1普通科大隊の大隊本部中隊の各隊各員であった。
空挺団隊員が十字路の各所に展開。一部では警戒防護隊形を取り、簡易な機関銃陣地や監視ポストなどを展開設置している光景が見えた。
「装脚機だッ」
その中から空挺団隊員の、装脚機縦隊の到着を周囲に告げるための張り上げた声が響く。
それを聞きつつ装脚機縦隊は十字路区画内に乗り入れた。
随伴していた空挺団の小隊の各員は、そこから誰に言われずともそれぞれ必要な行動を判断して、散開配置に着いていく。
「んじゃ同胞ピ、ちょい行ってきまーっ」
「別に帰ってこなくていいぞ」
金髪白ギャルの奈織も、そんな軽い言葉を残して離れ配置に駆けていく。
その身に、髄菩は変わらぬ塩い言葉を飛ばした。
装脚機縦隊にあっては。中隊長の90MBWはそのまま直進して反対側の街路上に、警戒配置を兼ねて停車。それに倣い髄菩機の89AWVと芹滝機の93AWVも、十字路の各所に分散配置してそれぞれ警戒配置に着く。
《アンヴィルゲート、エンブリー、各機長は一応私と来てくれ。本部で空挺と調整する》
そして髄菩機と芹滝機へは、中隊長よりそう降車集合を要請する言葉が通信で寄こされた。
「だと、チト言って来る。こっちは頼むぞ」
それを聞いた髄菩は、また倦怠感の含まれながらの言葉で、同機機内の薩来と藩童にそれぞれ伝える。
「フフ――了解」
《ん》
それに二人から返って来た端的な返答を聞きつつ。
髄菩はそのぴっちりボディスーツに飾られた身体を、無意識に悩ましく魅せながらコマンドキューポラを潜り這い出ると。
次にはそのなかなかに高さのある装脚機の機体上から、しかし臆する事無く飛び降り、まるで猫のようなしなやかさで悠々と地面に着地。
「っと」
そして立ち上がって姿勢を取り直した際に、また無意識にそのボディスーツに包まれる乳を揺らし、背や腰のラインをひねり主張。
その際に近くにいた空挺隊員等を魅了しつつ(もっともそこに居合わせた空挺隊員等も、性転換しており負けずの巨乳美少女or美女であったが)。
指示要請された通り、中隊長等との合流に向かった。
「
中隊長機の90MBW。
その車上、コマンドキューポラ上で。中隊長は彼(今は彼女)のその名を呼ぶ声を聞いた。
「!」
声を辿り、側方の眼下地上へ視線を降ろす中隊長、改め闘藤。その目は地上のすぐ側まで歩み寄って来て、こちらを見上げる人影をすぐに見止めた。
そこにあったのは、美麗な長いストレートの黒髪が流れ。その元にキリリと釣り上がった眼が特徴の、端麗な顔立ちが映える高身長の美女。
纏う迷彩服3型改とその記章類が、その美女がまた空挺団隊員である事を示している。
「
最初は知らぬ容姿の女と思ったが。しかしその様子口調からその美女の正体に、闘藤はすぐに気付く。
戦場と呼ばれた美女の正体は、第1空挺団、第1普通科大隊の大隊長の三等陸佐。
そして闘藤にとっては、防衛隊の幹部候補生学校の同期であった。
親しく懐かしい顔を見つけ。
闘藤はコマンドキューポラより這い出て、機上より飛び降り着地。そしてそこへ歩み寄って来た戦場と相対した。
「闘藤、また化けたなっ。ナイスだが高慢チキそうな女が来たなと思ったが、お前なら納得だ」
「良く言う。貴様のほうは、暑苦しい筋肉男がずいぶんと麗しい姿になったものだな、戦場」
お互いはお互いに煽るような言葉を飛ばし合うが、しかしどちらもその表情は嬉しそうだ。幹部候補生学校にて苦楽を共にした同期との再会に、どちらも喜びを感じていた。
ちなみにやはりだが、先に明かした中隊長闘藤はもちろん。今の台詞に会った通り、戦場も本来の正体は中年の男性である。
戦闘の最中ではあるが、再開に少し会話に花を咲かせる二人。
「――おっぱい同士が、対面してしゃべってら」
その背後の90MBWの機体の、ドライバーハッチ上。
そこで黒髪の美幼女が――闘藤に代わって警戒監視のために上がって来ていた、中隊長機の操縦手の一等陸士が。
眼下の闘藤と戦場の相対する姿を見降ろしつつ、そんな一言を呟き零した。
それは今相対する二人の。闘藤の軽量装甲戦闘服7-型に強調される巨乳と、戦場の迷彩服3型改の上からでも分かる巨乳が。突き合わせられながら二人の会話が交わされる光景を、品無く皮肉って表現する言葉。
「……はぁ」
そして美幼女操縦士の一等陸士は。
自身の軽量装甲戦闘服7-型に飾られる、イカ腹以外には凹凸の乏しい、つるぺた幼女ボディを見降ろし。
(せっかく性転換するならナイスバディが良かったのに)、と度々思っている事を浮かべながら、〝彼〟は愛らしい小さなため息を吐いた。
(ふふひ。自分の身体に悩んでるのカワイイなぁ)
その背後、90MBWの砲塔上に。密かに怪しく欲情した視線を降ろして来る、ボンキュッボンの茶髪の女が。90MBW砲手の二等陸曹(もちろん正体は男性)が居たりしたが。
これ等にあっては今は割愛する。
「闘藤三佐」
再会からの懐かしむ会話を、その乳を突き合わせつつ交わしていた闘藤と戦場の元へ、端より声が掛かる。
見れば、むこうより二人のぴっちりボディスーツ姿の美少女。
凛とした黒髪ロング美少女に今はなっている、他ならぬ髄菩と。同じく気の強そうな金髪シュートボブ美少女の芹滝が、歩んで来る姿が見えた。
「あっと、すまない――戦場、他2機それぞれの機長だ。今は一時的に私の指揮下に入ってもらっている」
その姿と掛けられた声から、闘藤は再会に咲いていた会話を一旦お開きとし。戦場に髄菩等を簡単に紹介する。
「空挺団、第1大隊長の戦場三佐だ。よく来てくれた」
そして戦場も続け、二人に自己紹介と歓迎の言葉を簡単に紡ぐ。それに髄菩と芹滝もそれぞれ簡易な敬礼動作で返す。
「三佐、早々ですが調整と状況情報の交換を」
そして続け。髄菩は若干不躾な色を醸しつつ、そう促し要請する言葉を戦場に紡ぐ。
「あぁ、もちろん」
しかしここ、現在は戦いの真っただ中の状況だ。戦場は気を悪くした様子も無く、当然と言うようにそれを受け止める。
「後ろの建物を拝借して、臨時指揮所としている。そこに入って話そう」
そして戦場は背後、十字路の角に建っている、派手過ぎず上品な造りの大きな建物を指差して促し。
それを受け、髄菩等それぞれはその案内を受けて歩み動きを再開した。
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