第6話【お墨付き】

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【kitchen あぐぅ】のママ

 心優ミユウさんに紹介してもらい


 自分の中の

“ 古い店の食堂のママ ”っていう

 勝手なイメージとは違った あこさんに

 軽い衝撃を受けつつも


 でも…なんか…

 すごく自然でいいな

 笑顔……可愛いかも…


 なんて思って見ていた




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「じゃあ自己紹介を…

 グルグルちゃんからど〜うぞ♪」


 全員が樹明タツアキを見たが

 本人はポカンとしている



きみのことよグルグル眼鏡くん

 眼鏡外してお顔見〜せてっ♪

 うふふ〜楽しみねぇ♪」


 そう言われやっと気付いた樹明タツアキ

 慌てて眼鏡を外した



「あら♡ 想像を超えてきたわ♡

 笑顔で自己紹介してね♪」


「は、はいっ…(´ρ`*)コホン

 朴木ホオノキ 樹明タツアキ 18歳です(*´ー`*)

 ホストは初めてなので

 色々教えてください、ママ」


「はい、よくできました (*´꒳`* ノノ" パチパチ

 あとは、お客様の前では最後まで

 笑顔を貼り付けておきなさいね」


「あ、え…と…(´▽`;) ニカ」


「お客様の前では、よ」


「はいっ!ご指導ありがとうございます

 あこママ(*´꒳`*)」


 女性客目線で指導してくれるのか…



「きゃ〜♡タツアキくん可愛いわ♡

 すぐに指名着くわよ!

 あ、ねぇ? 源氏名もタツアキなの?」


「あ…いえ…源氏名は…」


 樹明タツアキが口ごもる



「ジュミンだよ、あこさん

 樹明タツアキの漢字を則人ノリトが読み変えたの

 樹木の樹に明るいって書くから」


「おぉ流石ねノリちゃん

 タツアキって確かに言いにくいわ

“ たっつぁん ” はオッサンぽいしね」


「たっつぁん!? ( ゚∀゚)・∵ブハッ!!

 ちょ、ママ…腹痛いって(≧∇≦* )ギャハハ」


 ノゾムさんが吹き出して

 俺たちは苦笑い…(^_^;)



「じゃあ、次は金髪のきみ?」


 テピョンは腰に手を当てニヤリと笑うと

 意気揚々と話し始める



ムラテピョンと申す

 源氏名も “ テピョン ” なり!

 美しき女子おなごよ我を指名せよ!」


 そしてドヤ顔!( *¯ ꒳¯*)ドヤァ♪



「ぎゃ〜はっはっはっ(つ∀≦。)・゚。

 すごいわ〜 テピョンくん?

 するする指名しちゃう♪

 そのなりでなんて話し方なの!

 ギャップが過ぎる!お腹よじれるわ!」


 お腹を抱えて笑う あこさんの目に

 笑い過ぎで涙がにじんでいた



「なにがおもしろいのだ?( ˙꒳˙ )

 我はなにも面白くはないぞ?

 名乗っただけで笑われるとは…

 ちと悲しいぞ…(´・ω・`)ショボン」


「あら〜この子に落ちたら大変(^^;)

 抜け出せなくなるわね……

 可愛いわぁテピョンくん♡」


「可愛い?まことか?(*˙ㅅ˙*)」


「うんうん、可愛いわよ (* ´ ³`)♡」


“ 可愛い ” と言われテピョンは

 すっかりご機嫌になった


 俺はそんな2人を見ながら

 複雑な気持ちになっていた



 ノゾムさんのヘアメイクで

 めっちゃカッコよくなっていたのに

 魔のNGワードが出た…


 まぁ…相手は年上の女性だ…

 アレはNGワードなんかじゃなくて

 年下への褒め言葉だと…思おう


 これからはお客様にも

 言われるかもしれないから

 簡単にキレないようにしないと…


(`•⤙•´ )…



 そして俺の番がやって来た

 ママが俺の目を見る


 その瞳は明るい茶色

 目を細めて優しく微笑む


 その目を見ていると

 心臓がドクドクと速くなる



「はい、お待たせ

 まん丸お目目のきみ、どーぞ」


 高く澄んだ可愛い声を発し

 薄いピンク色の唇のはしを上げた




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 椅子に座る俺の目の前に

 あこさんが立つと

 俺が少し見上げる感じになる


 ち、ちか……( ˙꒳˙ ;):


(; ._.))サッ

 思わず目を逸らしてうつむ

 そのまま自己紹介を始める…



「あ……えっと…

 宮久ミヤヒサ空雅クウガ…18……です…

 源氏名はカタカナで “ クウガ ” です

 よろしく…お願い…します…」


(;///ω///)・・・

 アレ?なんか上手く話せない…



「クウガくんね? これからよろしくね

 ……クウガくんはシャイなのねぇ」


 シャ…シャイ???

 そんなことないんだけど…



「私はこの店の店主 “ あこ ” よろしくね♪」


「(; .₃.)よろしくお願いします…(ボソッ)」



 パチン!


 俯いた俺の視界で手を叩く あこさん



「挨拶する時は相手の目を見る!」


(;-_-))

 そんなこと言われても…

 俺は彼女はおろか

 女の友人すらいなかったんだ…

 目を見て話すのは喧嘩する時だけで…


 あとは…母さん?


 あ、先生!


(( ˙꒳˙ ;)チラッ

 顔を上げると目が合い

 ニコッと笑いかけられる( *´꒳`*)



 …⁄(⁄ ⁄•⁄ω⁄•⁄ ⁄)⁄カァ~ッ



(; ._.))サッ

 む、無理だー!



「……εー(・д・`*)ハァ…」


 あ…ため息をつかれてしまった…


(;_ _)

 なんだよ俺…

 なんでこんな…


 ギュッと目を瞑って黙っていると

 顎に何かが触れる感触がして

 目を開けたら…



(*  ´ω`)ノ))˙꒳˙ *)グイッ!!



 ぎゃあ!

 顎クイされたー!?

 あこさんの顔が近いっ…( ˙꒳​˙//)՞ ՞



(◎_◎⑉) ドキン!?

 びっくりしたから心臓が…


 ドキドキしてるじゃん!



「そう!そうやって

 大きな目で見つめて話しかけたら

 相手はイ・チ・コ・ロよ♪」



 ドキ…ドキ…



 そう言うと

 更に顔を近づけて来る あこさん

 さっきは目を合わせられなかったのに

 今度は逸らせなくて俺の目は更に丸くなる



 ドキン…ドキン…



 あこさんは至近距離でニッコリ微笑むと

 顔を傾けて更に接近する


(;゚д゚) ゴクリ…

 思わず生唾を呑んだけど

 あこさんの顔は俺の左へ逸れ

 左耳に可愛い声がそそがれた



「頑張ってね Cherryくん♡(ボソッ)」



[[[º д º ;]]]ピシッ…

 耳を疑う言葉を落とし

 あこさんはサッと体を離すと

 心優ミユウさんへ向き直る



心優ミユウ♪ 3人とも可愛いわぁ( *´艸`)♡」


「Yes!! お前ら、ママのお墨付き

 もらえたぞ!売れるぞ〜♪」



(=´∀`)人(´∀`=)ヽ(*´∀`)ノイェ-イ♪



「ってちょっと、コイツ寝てない?」


 ノゾムさんがテピョンを指さす



「あ…限界越えたかテピョン…

 すいません コイツ普段から

 早寝早起きなんで夜は弱いんですよ」


「は? そんな奴が

 なんでウチなんかでバイトを?」


 心優ミユウさんが目を丸くする



「…チャレンジャーなんで」


 ・・・( ˙꒫˙ )ポカーン [ノゾム]


「( ゚∀゚)・∵ブハッ!! ウケる!なんそれ!

 アハハ…まぁ無理すんなって言っといて」


「はい、ありがとうございます心優ミユウさん」


「ほら、好きなだけ食いな〜♪

 あこさんの料理めっちゃ美味いから」


 運ばれて来た料理に箸をつけると

 その美味しさに深夜だということも忘れ

 満腹になるまで食べた






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