血の色地獄

アキノリ@pokkey11.1

最終章 歪みまくった愛

仮面を着けた少女

狂気愛

「お兄さん」


屋上から飛んで自殺しようとした俺のその姿にかける声があった。

その少女は髪の毛が長く...ツインテールをしている。

そして所謂、小説のファントムみたいな仮面を着けていた。

仮面っていうのは目元だけを隠す仮面だ。


「...君は誰だ?」

「そんな事はどうでも良いです。...お兄さん。自殺するぐらいなら自らの彼女に復讐しませんか。このまま終わらせる気ですか?」

「復讐って...そんな気にもならないし犯罪者になりたくない」

「私はそうは思いませんね。やられた分はやり返すっていうじゃないですか」


そう言いながら少女は俺を見てくる。

ビルの屋上...にわざわざ現れたその少女は、だ。

幼馴染に浮気されて死ぬつもりだった。

だから...と思ったのだが。


「お兄さん。このまま終わらせるのは絶対によく無いですよ」

「新品の制服って事は君は俺の通っている学校の1年生か」

「私の素性はどうでも良いですよ。どうします。地獄に落としますか。それとも死にますか」

「...」


俺は考えた末。

そのままビルから飛び降りるのを止めた。

それから少女を見る。

仮面少女は「...私は幸せをぶっ壊す方が良いと思います。...なので私は捕えておきました。2人を」と言ってくる。

俺は「???」を浮かべていると「付いて来て下さい」と言われた。



「待て。ここは...何だ」

「...ここはビルの跡地です」

「お、お前!?ゆ、誘拐したのか?」

「誘拐したというよりかは誘い込んで気絶させただけです」


俺はその言葉に見開く。

そして仮面少女を見てみる。

仮面少女は薄ら笑いを浮かべていた。

それから仮面少女は「私...彼女達を絶対に許せません。なので...死んでもらいます」と言った。


「...死んでもらうってのは...だから犯罪は...」

「そうですね。だけど自殺に見せかけたらどうなんでしょう?」

「...!?]

「...私は限りなく許せません」


少女は言いながら階段を登って行く。

それから捕えられている...というか結束バンドで結ばれている2人を見る。

確かにそいつは俺の幼馴染の南。

そして浮気相手だ。


「...放してやれ。可哀想だぞこれ...」

「お兄さん。私は絶対に許せないって言いました。この2人の事は自殺に見せかけます」

「...投身自殺か」

「そうですね。...私に任せて下さい」


それから南の頬を叩く少女。

すると南はゆっくり目を覚ました。

それから俺達を見てくる。

動こうとしたが動けない様だった。


「え?...え?」

「南さん。今どんな気分ですか?」

「...待って。嘘。なにこれ?」

「...南さん。これから貴方には死んでもらいます」

「...は?」


南は俺を見てくる。

「ちょ、ちょっと待って。何がどうなっているの!?新次郎!?」と言う。

俺は何も言えずそのまま黙る。

南は「???」という感じで慌てる。


「落ち着いて。死んだら楽になりますよ」

「...貴方は誰!?」

「私が誰なんてどうでも良いでしょう。血の色に染まって下さい」

「...!?」


そしてスタンガンらしき...は?

取り出してからそのまま南を思いっきり服の上から感電させた。

それから笑みを浮かべる仮面女子。

俺は汗をかく。


「...という事で先ずは南さんからいきますか」

「待て。本当にやる気か」

「顔を見られましたしね」


それから南を抱える仮面女子。

そしてそのまま屋上まで向かう。

そうしてから仮面女子は俺を見た。

「このまま投げ落とします」と言いながらだ。


「...」


そしてそのまま地面に向かって南を投げ落とした仮面女子。

それから鈍い音が聞こえる。

5階から投げ落とされた場合。

助からないだろう。


「お前本当に...やっちまった...」

「私は絶対に許せない場合。正義をもってして制裁を下しますから」

「...誰なんだ。お前は」

「...私の素性はやり遂げてからにしましょう」


それから下の階に降りるとそこに目覚めた様な浮気相手が居た。

ソイツは「???」という感じだったが一瞬にしてスタンガンで気絶させてそのまま同じ様に投げ落とす。

マジか...。


「この国は未成年が起こした殺人に甘い部分があります。バレた所で死刑にはならないでしょう。それに私は...」

「...」

「...私の素性ですが。南の妹だったさやかです」

「何...」

「お兄さん。私と母親は離婚していました。...南に妹が居ないと思ったかもですが」

「...お前...マジに良いのかこれで」

「そうですね。私はお兄さん。貴方を愛しています」


彼女はそう言ってから醜い笑みを浮かべる。

「これで共犯になりましたね。事情を知っている私を愛するしかなくなりましたよね?私はお兄さん。貴方が好きですから。共犯者として仲良くしましょう」と笑顔で言ってくる。


俺はこれが罠だと気が付くのに数分かかった。

初めから計画されていたのか。

人を殺した挙句。

それは...とてつもないドロドロの汚泥の沼だった。


fin

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