「昨日は夢を見なかった」ジャンル:その他『頭を空っぽにしてお読みください』

第6話「昨日は夢を見なかった」(公開日 2023年10月27日 22:29)

 主催者、鳥尾巻さまの【ある朝目覚めたら】書出し固定企画

「昨日は夢を見なかった」のお題を選ばせていただきました。


 それはふわふわと浮かぶまるで、○○のような?





 昨日は夢を見なかった、いつもは毎日夢を見ているのに。

 たまには、そんな日があっても、いいかもしれないと出かける準備をして家を出た。


 私が図書館に行こうと、しばらく銀杏いちょう並木の道を歩いていると

 道の向こうから、紫色の大きな兎が、ぽよんぽよんと弾みながら飛んで来た。

「ん…?これは本当に現実なのかな」



 私は、それを確かめようと自分の頬をつねってみた。

 痛い、多分これは現実なのだろう、でも、何かがおかしい。

 大きな兎を見送り、私は歩き続ける。


 すると、空に雲ではなくタワシが浮いていた。

 私は目をこすり、もう一度よく見てみる。

 しかし、その物体はやっぱり、どう見てもタワシだった。



「うわぁ…いよいよ、私の頭が変になったのか…」

 そう思い悩んでいると、私の横を食い倒れ人形と二宮金次郎の銅像が駆け抜けて行った。


「もう、病院に行こう。」



 そう決意をして、近くの総合病院に向かった。

 私が病院の自動ドアを通ると、病院の受付に、ハチ公の像達がひしめき合っていた…

 そこを必死に抜けて、待合室で待ち、順番が来た。

 診察室に入り、椅子に腰かけるとそこには、でかいまりもが座っていて頭から丸呑みされた。



 ◇+◇+◇



 遠くの方から、目覚ましの音が聴こえる。

 私は、布団の中でハッと目が覚めた。

 これまでの出来事は、全て夢だったらしい。私は、安堵して息を吐く。



「良かった…今日も夢をみたんだ、良かった夢で」

 昨日は夢を見なかった、でも、今日は悪夢を見た。



 <終わり>


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 最後までお読み頂いてありがとうございます。


 鳥さま、参加させて頂いてありがとうございます。


 鳥尾巻さまの自主企画

 https://kakuyomu.jp/user_events/16817330665928634796

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る