感受性

パーカーからポテト

誰かに頼って生きている。


望まれれば関係を持つし、関係の代わりに生活の一部を助けてもらう。


私は嫌で嫌で仕様が無い、惨めで仕方がないのだ。自分自身が。


同世代の子達が眩しくて煌びやかで艶やかだ。


羨望の目で見ては嫉妬に狂い、自己嫌悪に陥る。


私はなぜこんなふうになってしまったのだ。


毎夜毎夜考えては酒に溺れる。


解決の仕様が無い問題を考えては、何が正解かわからなくなって。


誰よりも普通でいたいのに、自分がらおかしくなっていく。


普通に生きていきたいだけ、なのだ。私は。


普通に、恋をして。失恋を味わって。


好きな人からLINEが来てキュンキュンする、なんて言ってみたりして。


無償の愛なんて幻想に憧れて一方的な恋をたくさんの人に振りまいている。


誰も返してくれない事なんて初めから自分が一番気付いてる癖して。


当たり前だ、見返りのない恋なんて存在しないのに。


何が良くて好きでも無い10歳〜30歳上に股開いてんだろう。


実家で親と仲良く過ごせている同い年の世代に殺意が湧く。


こうなる事ををえらんだのは自分自身で、全て自業自得なことは自分が一番分かってる。


傷付いて、誰を憎んでいいか分からないから、全部憎んで。


今日、着たパーカーからいつのか分かんないポテトが出て来た。


不意に自分に重なってなんとも言えない気持ちになった。


大人数からあぶれて食べられもせずに、捨てられる。


なんだ、一緒だったのか。


そう思いながらコンビニのゴミ箱に捨てた。


いつか私も私を捨てたい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る