色②。~ こんな僕でも色男? ~

崔 梨遙(再)

1話完結:約1200字。

 色から僕が連想するのは、“色男”。



 そういえば、学生時代、やたらいろいろな色のチョークで黒板をカラフルにする爺の先生がいて、その先生が、


「僕は、いろいろな色を使います。だから、色男と呼ばれています」


というオヤジギャグを言って、場が冷え切ったことを思い出してしまいました。



 ですが、勿論、そんなオヤジギャグはどうでもよくて、今回は学生時代のお話をさせてもらいます。


 僕はいつも、“男ばかりの学校が続いた”と書いて来ましたが、正確には数人の女子がいました。理系でしたので女子が少ないのは仕方が無いのです。女子と言っても、“医学的に女性”というだけで、女性であることを忘れているのではないか? と思うくらい、垢抜けない人達でした。そして、僕は、その数人の女子達が好きではありませんでした。女子というだけでチヤホヤされて育つので、自分のことをカワイイと勘違いしていたからです。いやいや、学校から一歩外に出れば、あなた達は平均以下なんですよ。と言いたくなるのですが、そんなことを言うと、男子が庇うので、言いたくても言えずに我慢していました。


 そして卒研(卒論)、僕は級友と組んで、某教授の某研究テーマに取り組もうと約束していたのですが、女子が1人、割り込んで来ました。結局、級友が譲る形で、その女子、石井と僕がコンビを組むことになりました。大迷惑でした。ですが、女子と組んで卒研をやるということで、級友からは“崔の色男!”と言われました。級友達も、本当は勘違い女子と組む苦労はわかっているくせに、ヒドイものです。


 石井は、クラブ活動優先で、なかなか卒研をやってくれませんでした。なので、役割を分担しました。僕は自分の担当分を進めて行くのですが、石井の担当している分が進まないので、教授に僕が怒られていました。


 夏。僕は石井を無視していましたが、石井の方から話しかけてくれました。


「崔君、卒研のことやねんけど」


ここで僕は、


「卒研、なかなか出来なくて、ごめんなぁ」


などと、言ってくれるのかと思いましたら、


「崔君、あんまり卒研を1人で進めんといてや、私がついていけなくなるやんか」


と、非難されました。


 僕は、


「うるせー! 卒研来いや」


と言って、石井のケツを(極めて軽く)蹴りました。石井は、


「もう、蹴らんといてえや」


と言っていましたが、おかげで僕の卒研の思い出は、“相方のケツを蹴った”ことだけです。他には、思い出せません。誰かに代わってほしい“色男の座”でした。



 今、振り返りますと……“もう1発、ケツを蹴ってやりたいなぁ”と思います(笑)。以上、僕の“色男?”体験でした。ああ、美しい思い出が欲しかったああああ!卒業後、男達にチヤホヤされて育った女子がどうなったかは知りません。







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