王子殿下の専属染色師

彩瀬あいり

前編


 この国において「きん」は特別な色だ。

 身に纏うことができるのは王の血族、またはそれらに認められた者のみ。

 近年は主に式典でのみ着用され、祭服さいふくを纏った王族が集うさまは壮観で、一帯は黄金に染まる。厳かな空間だ。


 しかし、そうして集中すると、どれひとつとして同じ色ではないこともわかってくる。

 その理由は、個人にひとつずつ、固有の色が与えられているからだった。


 彼らは「色を持って生まれてくる」と言われている。

 王の血族は金を基調とした瞳をしていて、それが個人の色。

 その色に染められたものが、彼らにとっての祭服になる。



 そんな重要な「色」を管理するのは、とある一族。

 染料となる植物が豊富に育つ、国の東に位置するラデール藩。

 そのなかでも藩主の直下に置かれる小さな集落エゾラ。そこが、国が認める染色師が住まう村だ。

 黒い髪と瞳。

 生粋の『エゾラの民』であるカヤは、来訪した青年の前で眉を顰める。

 贅沢に布を使った足元まで覆うフード付きのローブで、頭部まですっぽり隠れているけれど、あらわになっている整った顔を見れば、それが誰であるのかは一目瞭然。


「どうして、こんな場所におひとりでいらっしゃったのですか、殿下」

「いやだなあ、そんな他人行儀な言い方。君と僕は運命共同体。神が定めたパートナーじゃないか」

「……護衛の方、いまごろ慌ててるんじゃないの?」

「ここに行くことは伝えてある。大丈夫さ」


 にっこりと微笑む男の瞳は、茶が混じった金色をしている。

 ラウテルは第五王子だ。カヤとは十余年来の腐れ縁、因縁浅からぬ仲である。


 王家の者が持つ固有色は瞳に倣っているのは知られたことだが、その染色方法は秘されている。模倣されると困るというのは表向きの理由で、本当のわけは染色方法が特殊だからだった。


 自然の色を、布や糸に移す能力。

 エゾラの民は、そんな不思議なちからを持った一族だ。

 花や草木はもとより、己の目で見た空や大地の色さえも移し、真っ白な布を染めあげることができるという。


 王族の瞳から色を移すのもその能力ゆえの御業なのだが、これには相性があるのか、誰が相手でも可能というわけではなかった。

 ひとりにつき、ひとり。たったひとりだけが可能となる。

 未だ解明されていない謎だが、そもそもエゾラの能力自体が不思議なのだから、これもまた神の采配として受け止められている。


 そんなわけで、王族にはそれぞれ固有の、専属の染色師が付いている。

 つまり、ラウテルの色で布を染められるのは、この世界でカヤだけ――ということなのである。




 カヤがラウテルと出会ったのは五歳のころ。彼が七歳になるまえの、染色師選定の儀だ。

 王族の子は、七歳の誕生日を迎える前に染色師を探す。

 親の色を脱ぎ、自身の色を纏う年齢。王族として表に立つようになるのが七歳で、そのお披露目として使用する衣装を作るにあたり、エゾラの民に会うことになっている。


 誰が専属になるのかはわからない。年齢も性別も関係がなく、エゾラの側からしても落ち着かない会合だ。

 一軒ずつ来訪し、家の者全員と顔合わせをする。染まる前の白布を手に、訪ねてきた王族の瞳を見ることで、色移りを確認するのだ。


 カヤが生まれたヒノ家は、これまでに王家の専属者となった者はいない。規則性はないとはいえ、歴史を紐解くと、王となった子の専属を輩出するのは、村長であるワシヲ家の係累が多い。

 ヒノ家はさほど能力が高いわけでもなく、課された仕事を堅実に実行する真面目な者たち。これといった欲も持たず、細々と血を繋いでいる。


 そのため、家族も村のひとたちも、ヒノ宅は形式的な訪問だと疑わなかった。

 まさかそこから専属が出るとは思わなかったし、ましてその専属がたった五歳の幼子だとは、王家の随行者たちでさえ想定していなかったのである。



    ◆◇◆



 突然訪ねてきたラウテルに驚きつつ、居間に通す。

 なお家族は客人を放置して外出してしまった。王族を相手に不敬に思われそうだが、エゾラと王家は対等な関係を謳っている。外部の目が届かない村の中においては、王子といえど只人だ。ラウテルも承知したもので、慣れたようすで寛いでいる。


「それで、なんの用事なの? まさか、またじゃないでしょうね」

「またってなんだよ」

「一年のうちに何度も布を駄目にするの、ラウぐらいなものよ」

「そうかな」

「ほかの殿下たちは、新調するの数年に一回だって言ってた」

「兄上たちと僕は仕事が違うんだよ」

「祭服で野良仕事をするラウがおかしい。なんで誰も止めないの」

「あきらめてるんじゃないかなあ」


 ラウテルはいずれラデールの藩主となることが内定している身だ。子どものころからラデールを訪れており、十四歳を機に藩主の仕事を手伝うようになっている。


 ラデールは農産が盛んな土地であった。穀物の輸出だけではなく、造酒も盛んである。

 品種改良にもちからを入れており、藩主みずから参加することでも知られている。歴代の藩主らは民との距離も近く、親しみやすいことでも有名なのだ。


 ラウテルもまたそれに倣い、みずからの手で野良作業をおこなっており、思いついたらそのまま実行してしまうため、服がすぐに駄目になってしまうらしい。幼少のころから就いている彼の傍仕えは頭を悩ませ、立場を超えて怒鳴りつけることもしばしば。ラウテルの専属染色師であるカヤとも長い付き合いで、ふたりでよくラウテルの愚痴を言い合っているところである。



「今日はあいさつに来ただけだよ。しばらく中央に戻らなきゃいけないから」

「公務?」

「の事前準備、かな。もうすぐ誕生日だし」

「ああ、そっか。ラウテルは今年が『三つ葉』だもんね」


 さも今気づいたかのように言ったカヤだが、そんなことはとっくに承知だった。専属染色師にとっては、有終の美を飾る儀式ともいえるのだから。


 国では子の成長に合わせ、七年ごとに三度の式がおこなわれる。

 はじめは七歳。芽吹きの年。

 七つになると学校へ通いはじめ、隣近所だけではない外の世界を知る。

 つづいて十四歳。規定の学問を修めて、それぞれの進路に分かれて歩みはじめる年齢。種から芽吹いた後に二手に割れることから「双葉ふたばの年」と呼ばれる。


 そして最後が二十一歳。一定の仕事を修めたあと、独立が許される年齢とされる。

 花が咲くのではなく三つ葉と称する理由は、ちょうどこのあたりで所帯を持つことが多いからといわれている。婚姻を『幸福の四葉』になぞらえることから、葉が一枚加わる前として「三つ葉」と呼ぶようになったというのが定説だ。


 市井のひとにとって二十一歳は、後ろ盾を必要とせずに自分の裁量で権利を実行できる、自由と責任を負う年齢だ。王族にとっても似たようなもので、それぞれに割り振られた仕事に就くことになる。己の名前で御触れを出したりと、よりまつりごとに直結する仕事をすることになっていくらしい。


 専属染色師にとっても転換の年だ。

 子どものころと違い、身体の成長も止まることから、服を新調する機会が減る。よほどの破損がないかぎり、新たな布を作る必要がなくなるので、顔を合わせる機会も当然減っていく。交流が絶たれるわけではないのだが、距離を空けることが慣例となっており、カヤもまた、なんとなくそうなっていくのだろうと思いながら過ごしてきた。

 否、それを強く意識するようになったのは、ここ数年だ。


 よく服に穴を空けるラウテルはしょっちゅう村に来るし、カヤ自身が藩主の館に出向くこともある。国の式典のために城へ戻っていたラウテルから呼び出しをくらい、あちらで糸や布を染めることもあった。王子と同年代の専属ということで珍しがられたし、子どもということで、ずいぶん気も使ってくれた。いまではすっかり顔なじみだ。

 近くにいるのが当たり前。いずれ離れるときが来ると頭ではわかっていても、いつだって目に映る距離にいるものだから、どうにも実感がわかずここまで来てしまった。


(そうよ、だからこれはぜんぶラウが悪いんだわ)


 妙にフレンドリーで、偉ぶったところがひとつもないから、つい一般の民とおなじように思えてしまう。

 これからもずっと一緒にいるのだと思っていたけれど、そうではないのだと最初に気づいたのは、カヤが十四歳ふたばの式を迎えたとき。ラウテルが祝いの品をくれたときだ。


 数種類の色を合わせた飾り紐は、十代の娘に贈る一般的なお祝いである。親しい者が色を決めて、編み込んでいく。

 カヤが受け取ったのは、両親と兄、村の相談役である前村長夫人に加えて、ラデールの藩主さまからも賜った豪華なもの。それらをまとめたのが金茶の紐――ラウテルの色。

 まとめの色は贈り主の代表であり、受け取り手にとって最も近しい者が担うことになっている。


 皆に見守られるなかで手渡されたそれはとても綺麗で、自分で染めた金茶色が誇らしくなったし、照れくさそうなラウテルの姿に笑いもした。

 自分でこれを仕上げたのかとラウテルに問うと「指がつるかと思ったよ」と手のひらを向けてきて、その大きさに慄く。


 いったいいつのまに、そんなに大きくなったのだろう。

 ふたつ年上のラウテルが急に自分より大人に見えて目を見張り、落ち着かない気持ちになった。


 カヤの家族が「我が家にとって次の大きな祝い式は、ラウテルさまの三つ葉だな」と言い、自分のこの手でラウテルの瞳を移し取る行為には期限があり、彼は先に旅立ってしまうのだと、カヤはそのときやっと「専属染色師」を意識するとともに、胸の内にある想いも自覚したのである。



    ◆◇◆



 専属といえど、他の染色をしないわけではない。エゾラの染色は他国でも高値で取引されるほど有名なものなので、当然、村の誰もが染色をおこなう。

 ただ専属は、王族の固有色に濁りを持たせないために、濃い色の染色は控える傾向にはあった。


 現在、三つ葉前の専属染色師はカヤの他に二名。カヤの父と同じ年齢の男と、高齢の女性。どちらも子や孫といった年齢の王族の子を見ており、同年代のカヤが異常といえる。

 風当たりはそれなりにあり、もっとも強い風を吹かせてくるのがラウテルと同じ年齢であるトキヤ。村長の息子である。


 カヤにとっては年齢も近しい幼なじみ。専属の知識がないヒノ家は村長に教えを乞い、王家との仲介も含めて世話になったため、顔を合わすことも多かった。

 カヤとしては仲良くしたかったのだが、トキヤは妙に突っかかってくることが多く、そのうちあきらめた。

 おそらく、自分より年下の女の子が専属染色師になったことが気に入らないのだろう。


 前村長であるトキヤの祖父は、今の王の専属を務めた男だ。

 それだけではなく村の染物の品質を王へ掛け合い、他国へ出荷する際に付加価値を加えさせた。今、エゾラの布が国内外で広く知られているのは、彼のおかげでもあるのだ。



 たくさん染色してくれてありがとう。

 三つ葉の儀までゆっくり休んでおいてね。


 ラウテルがそう言い残して、自分の瞳色に染まった大量の布とともに中央へ戻ったあと、カヤは染色ではなく下準備を手伝っていた。

 糸を紡いだり、原料となる草木を水でさらしたり、干したり。

 村のそこかしこに設置されている休憩所で休んでいると、カヤの耳に不機嫌そうな男の声が飛びこんできた。


「ふん、さすが専属は気楽なものだよな」

「――トキヤ、なんか用事?」

「べつに。たまたま俺が行くところにおまえが居るだけだ」


 そうは言っても、まるで見張っているかのように、いつもトキヤはカヤの近くに現れる。文句が尽きないのかもしれないが、聞かされるほうはたまったものではない。

 ラウテルが一緒にいるときは彼がそれとなく庇ってくれるのだが、トキヤはそれすらも気にくわないらしく、後日「王族の名を笠にきて偉そうにするな」と言ってくる。

 従来であればトキヤが携わっている仕事の話が自慢げに始まるところだが、今日にかぎっては話題が違った。


「ラウテルが来てたな」

「呼び捨ては不敬よ」

「おまえだってもっと失礼な呼び方してるじゃないか」

「私は――本人希望だもん」


 ラウと愛称で呼ぶのはラウテルの希望ではあったけれど、幼いころからの癖みたいなもので、変えるキッカケを失ったまま今に至る。


「いつまで青葉のつもりだ。王族なんて、三つ葉と同時に婚礼発表だって普通なんだし、おまえもいいかげん現実を見ろよ。いつまでもガキみたいにくっついてさ」

「うるさいなあ」

「なんだよ可愛げがねえ。俺は身の程を知れって言ってやってるんだ。エゾラの民はエゾラで暮らす。王族なんかと添えるわけないだろ」

「なに言ってるのよ。ソニアさんは村の外からきたし、ヒバリちゃんは嫁いでいったじゃないの」


 トキヤの母はラデール藩の大店おおだなの娘で、エゾラの布を扱う関係で村長のタカトと知り合い、嫁いできた村の外の人間だ。逆にトキヤの姉ヒバリは去年、外に嫁いでいった。

 村の中だけで完結していたのは昔の話だ。血が濃くなりすぎないように、いまは外部に開かれるようになっている。


「それに、ラウと同い年のトキヤだって、まだ結婚してないじゃない。ひとのこと、つべこべ言う暇があれば、お嫁さん探しでもすれば? 次期村長さん」


 そう言うと、トキヤはぐっと押し黙り、顔を赤くした。

 非常にデリケートなところを突いた自覚はあるが、先に失礼なことを言ったのはあっちだ。

 王族の伴侶になる可能性なんて、わずかにでも考えたことはない。ラウテルは相応の身分の娘と縁が組まれるはず。いくらカヤが彼を好きだったとしても、そんなものは関係がないのだ。


 トキヤにはなぜかカヤの秘めたる気持ちがバレているのが不思議だが、弱みを握ったつもりなのだろう。おまえみたいなのは、王子妃より村長夫人のほうが身の丈に合っていると言うが、どういう比較なんだか。

 村長夫人というけれど、ずっとここで暮らしてきたカヤは、エゾラ以外の村で暮らしていく自信がない。エゾラの技術は他の村にとっても重要かもしれないが、トキヤの母親のように、自分が別の村の長と添う姿はまったく想像がつかないのだ。


「もしかして見合いの話が出てる? トキヤは先月三つ葉を迎えたしね。なによ、自分に相手ができたからって、私に説教するわけ? よそに嫁いでさっさと出て行けってこと?」

「ち、ちがっ。そんな話はねえし、予定もねえし!」

「大丈夫。べつに邪魔なんてしないよ。おめでたい話なんだし」

「だから、違うって言ってんだろ! 見合いとかするわけねえし、だいたい俺はおまえが」

「私が?」

「な、なんでもねえ! バーカ、ブス!」


 怒りに顔が赤く染まったトキヤは、子どもでも言わない台詞を吐いて、走り去っていった。

 まったくなにがしたかったのか。

 呆れて見送っていると、トキヤが去った方向とは逆側から小さな女の子が顔をのぞかせた。


「きにしなくていいよ、トキにいはこどもだから」

「いつものことだからいいんだけど、今日はしつこかったね。おうちでなにかあった?」

「なーんにもないよ。トキにいはイライラしてるの、おとしごろだから。ほんとこどもっぽくてこまるわ」


 言いながらカヤの隣に座ったのは、トキヤの妹・ハト。先日、七歳になったばかりの子どもに「子ども」扱いされる兄の立場はいかがなものだろう。


「そんなのより、ねえカヤちゃん。ラウテルさまのおしきはいつ? やっぱり、みつばといっしょによつばになるの?」

「ど、どう、かなあ」

「えー、なんだあ。ハト、カヤちゃんのおいしょう、たのしみにしてたのに」


 専属染色師は、城で開催される対象者の式典に出席できるのだ。カヤの家族はもとより、代表として村長らも出席するので、まだ幼いハトも連れていく予定なのだろう。


「おおきみのおやしき、ハトは行ったことないからたのしみなの」

「そっか。ラウの双葉式は、ヒバリちゃんとトキヤも一緒に行ったよ」


 たしかハトが生まれる前後で、母の名代としてヒバリが出席したのだ。


「しってるー。ハトだけしらないのずるい! カヤちゃんのふく、すごくかわいかったんでしょ?」

「ヒバリちゃんに訊いたの? まあ、トキヤは顔しかめてたけどねえ」


 王城で用意してくれた衣は、カヤにはもったいないぐらいに豪奢なものだった。ラウテルの姉が着ていたものを手直ししたのだと、式典が終わったあとに知って、腰を抜かしそうになったものである。

 トキヤはろくに見もしないくせに、似合わないだの分不相応だのと文句ばかり言っていた記憶がある。ラウテルはとても嬉しそうな顔をして手放しで褒めてくれたので、カヤとしてはまったく問題はない。


「はあ……。わがあにながら、ほんとばかだわ」


 幼女が盛大な溜め息をついた。ヒバリもよく「ごめんねカヤちゃん、トキは本当にどうしようもなくアホでバカだわ」と謝っていたものだ。

 姉妹両方にけなされるトキヤは若干気の毒だけど、もしかするとカヤにばかり当たりが強いのは、鬱憤晴らしなのだろうか。

 たしかにヒバリもハトも、トキヤより弁が立つ。言い負かされるようすが想像できて笑ってしまう。


「あのね、ハトは、ラウテルさまはだから、あんしんしてね」


 ハトはよく「ラウテル派」を公言する。いったいなんの派閥なのかわからないが、ハトだけではなく、村の子どもたちも似たようなことを囁く。

 年々大きくなる声が疑問で、同世代の友人たちに訊ねたところ、「あー、うん、カヤはそのままでいいよ」「これに関しては完全にトキヤが悪いな」「村の男としてはトキヤを応援したいが、あれは駄目だ」と言っていた。

 賭け事でもしているのだろうか。ラウテルの専属であるカヤは関わらないほうがよさそうなので、深追いはしないことにしている。


(それに、ラウとはもうすぐ距離ができるわけだし……)


 最後のお勤め。

 家にあるラウテル色の余り布を見ながら糸を染めてみたけれど、思うように色が移せない。やはり本物には敵わなかった。

 ならばと瞳を閉じてラウテルの色を思い出そうとしても、胸が苦しくなる一方だ。


「たのしみね。あのね、ハトも、カヤちゃんみたいにせんぞくになりたい。なれるかしら」

「どうかしらね」


 専属のなんたるかもわからないまま、カヤはその任に就いた。相手がラウテルでなければ、いまのような苦しみは味わっていなかったのだろうか。

 けれど、他の誰かの色を知りたいとは思わない。

 カヤにとって王族の金は、ラウテルの金茶。カヤの心は、すっかりラウテルの色に染まっているのだ。

 我ながら重症だった。



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