第8話 手榴弾

「なあ なんでこんな戦闘員少ねぇの?」


「お前が来た時4人死んだからだ」


 そう言ったのはレンという男。特筆してガタイがいいというわけでは無いが、肉弾戦はここで一番強いらしい。


「それでも少なすぎ」


「バカ ナンデコロシタ? アホ」


 そうカタコトに話すのはレンのバディ、ニグレ。ニグレ含めて誰も彼の出自を知らない。とにかく身体がデカい。


「貸し一だから」


 そう言うのはピアスを開けた中性的な見た目の男、テン。その瞳は酷く冷たい。


「家族でしょテン 心狭〜い」


 テンのバディでここの最年少、弱冠じゃっかん12歳のファイア。


「タイガ! そんなの付けてたっけ?」


 ファイアはタイガの付けたブラスナックルを指差した。


「これはインガから貰ったんだ」


「プレゼントだ! もう仲良しじゃん!」


「うーん そうかな?」


「絶対そう! ね インガ!」


「うぜ」


「インガ? インガ! ねえってば!」


「なんとかしろテン」


「貸し2な」



  ◇ ◇ ◇



 招待された場所は漁港。


「だーれが6人で来ていいって言ったんだ!!」


 6人の中央に投げ込まれたのは古典的な手榴弾。


 今、戦いの火蓋は切って落とされた。



✴︎後書き

読んでくれてありがとう。

雨カナガワ支部の6人の戦闘員紹介。ただそれだけ。明日も書きます。

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