未来色屋
甘堂くるみ
紹介文
「未来色屋、開店ですね。」
店主・未来がつぶやいた。
ハーフアップの肩にかかった銀色のかかった茶色の髪の毛がふわっとゆれる。小さな懐中時計のような髪飾りが結んであった。20代ぐらいに見える若そうな小柄の女だった。時計が描かれた袴を着ている。
こじんまりとした時計屋に見えるほどたくさんの時計がならべられている。
不思議の国のアリスのような白うさぎが出てきた。何も着ていないけれど、首輪に時子と同じ時計の飾りがついていた。
「いらっしゃいませ、お客様。本日はどのような未来が欲しいのですか?恥ずかしがらないで、どうぞおっしゃってくださいな。どんな未来でも、時間でもあなたの願いを叶える時間を売りますから。」
深々とお辞儀する未来の瞳には今も時が刻まれている。
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