没キャラ転生〜歪んだ世界で異物は何を為す〜

ceon

第0章 転生

プロローグ

「アァァァァァァァァ」

 ボクの知らない記憶俺の知っている記憶が流れ込んでくる。

 ボクがボクではなくなっていく《俺になっていく》





 目を開くと孤児院のような建物を背景に黒髪蒼眼の少女と白髪碧眼の少年が会話しているのが目に入った。


(ここは夢か?なぜか声が出ないが…)


「約束覚えてるよね?龍司」

「もちろん覚えてるよ■■■」


 黒髪の少女の名前であろう部分だけなぜかノイズがかかったように聞き取れない


「なら良かった。私は遠くに行くけど約束これからも忘れないでね?」

「もちろん、次会うときにはボクももっと強くなるから」


 少年と少女が会話をしていると車が近づいてきた


「■■■様、そろそろ時間です車にお乗りくださいませ」

「あ、迎えが来たみたい。そろそろ行かなくちゃ、ばいばい龍司」

「ばいばい■■■、次は学園で」


 少年のその言葉を聞くと同時に少女は車に乗り、少年の元を去る。

 と、同時に少年の目から涙が零れ落ちる。


「やっぱり駄目だ…■■■の前では我慢したけどやっぱり寂しいよ…もっと■■■と一緒に居たいよ…」


 その少年の呟きを聞くと同時になにも見えなくなり、しばらく経ちまわりが見えるようになると先程の少女が目に映る。


「はぁ、やっぱり寂しいなぁ…」


 そう少女が呟くと同時に少女の目から涙が零れ落ちる。


「あれ?おかしいな…泣く理由なんてないはずなのに…」


 少女の言葉を聞くと同時に再び目の前が真っ暗になり、今度は別の風景が見えるようになるということもなく、意識を失った。




 そして、意識を取り戻すと荒れ果てた都市で刀を抱えて瓦礫を背に座り込んでいた。

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