【KAC20247】色んな人がいるからこそ、じゃんけん(;-_-)vo(^-^)はある。

saito sekai

1話800字完結

最近、近所に越して来た五人家族は、皆一様に衝撃的なルックスだ。黄緑の顔で、髪は青い。服は赤ずくめ。靴は紫。歯は白いタイルのようだ。

近所の人たちは、あの宇宙人の様な家族から誰が町内会費を回収するか、押し付けあっていた。誰も行きたくないから、じゃんけんで決めることになり、結局古参の町会長が負けた。内心皆は「頑張って下さい」等と励ましていたが、影では(古参だから、経験ある(笑))と思ってしまっていたのだ


経験?はぁ?である。


町会長は死にもの狂いで、会費3500円を徴収。その後入院した。多分、あの家族に何かされたから?たまたまそうなった?皆は勘ぐったが、本人に聞くことは出来なかった。


今度は彼の後釜が必要なので、誰が長を務めるかも、皆嫌がり決まらないので、又じゃんけんということに。全くもって誰でもいいから、率先して町の為にという気持ちがないのか…。


そんな様子を見ていた、ある町民のFという男は、自分が会長の後を継ぐと宣言。皆はほっとしたのだった。


そして春。恒例のバスツアーを計画する事になり、会員は集まる。


「やっぱり例の家族にも、通達するべきだ。回覧板を回せばすむことだから。皆偏見を捨てて、仲良しこよししましょう」とFが言い、場所も毎年の恒例草津温泉に決まった。


その時、例の家族の父親らしき人物?宇宙人?が現れたので皆はビックリ仰天した。


宇宙人は言う。「UFOで草津温泉まで行こうと思います。現地集合でお願いします」

それを聞いたFは気が動転し、思わず「宇宙人じゃダメですよ!」と叫んで失神。


その様子を見ていた会員達は話し出す。


「Fさん、結局嘘付きじゃないか…」

「動揺は、当たり前だぞ」「いや、この場合は嘘八百なんだよ」「こだわるな、Fさんだって人間なんだぞ、お前は驚いてないのか、宇宙人だぞ」「驚いている、でも彼は嘘八百なんだ」「それでは、じゃんけんで決めるか?」「良いよ、勝っても負けても800だ」

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