このっっっ色ぼけっっ!!
夕日ゆうや
色ボケで何が悪い!?
俺には可愛い彼女がいる。
黒く長い髪をなびかせて、桜並木を白いワンピースで駆け出していく。
桜舞う中、麦わら帽子を春風にはためかせて笑みを零す。
優しくて気が利いて、芯の通った彼女。
名前は
世界中探しても見つからない、そんな可愛い子だ。
唯一無二な魅力と、母性を感じる優しい笑み。
全てが完璧で、暴力など振るわない。
労ることもでき、夜遅くまで仕事で追われていたとしても彼女は俺を受け入れてくれる。
どこまでも最高の彼女だ。
俺が間違った時は正してくれる。
そんな強さも持っている。
心春は最高のパートナーと言えよう。
これから先、何があっても彼女なら俺を支えてくれる。
そして俺も彼女のために働けるし、彼女のためならどこまでもひたむきになれる。
今までの幸運を全て使い込んだんじゃないか。
そう思えるほどの気立ての良い彼女だ。
最高だろう?
「もう。今日はどうしたの?」
そう言って俺のことを気遣ってくれる。
「あれあれ? どうして食べてくれないの?」
《今、お腹いっぱいだから》
「ふふ♪ そっか♪」
小気味よく笑う心春。
ああ。心春よ。心春。
なぜあなたは心春なの。
「どうして? どうして?」
壊れたスピーカーのような声で訊ねてくる心春。
だが、それも仕方ない。
俺が悪いんだ。
《ごめん。俺が悪かった》
「よくできました。偉い偉い」
そう言って俺の頭を撫でてくれる心春。
年下の女の子に撫でられる機会なんてないだろうに。
それは置いとくとして、年下の子はいい。
なんというか、快活さがある、というのだろうか。
若いってそれだけで武器になる。
そこに彼女の可愛さを足すと最強の彼女ができあがるわけだ。
こんな彼女だが、出会いは意外と短い。
一か月前に、電車での痴漢を撃退したことから始まった。
彼女は俺に助けられて感謝するし、その場にいた彼女の父からもお礼を言われたほどだった。
その後の話で盛り上がり、すっかり父親からも好かれてしまった。
そんな縁もあった。
心春は最強で最高で最愛な彼女だ。
だけど。
そんな彼女だけど、欠点がある。
二次元ということだ。
このっっっ色ぼけっっ!! 夕日ゆうや @PT03wing
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