【KAC20247】俺色に染まる世界〜母ちゃんをゲーミング色に染めたらモテモテになって億万長者になった

竜頭蛇

アアアアアアアアアアアアアア!? なんだいこれぇ!?


「もうお昼だよ! タカシ、ダンジョン配信で一発あってるんじゃなかったのかい!?」


「ダンジョン配信はもう俺の中で期限切れだよ。ダンジョン入って5秒でなんかダメだと思ったもの。やっぱりニートが一番だって気づかされれたよ。暖かく柔らかいここで俺は永遠に生きるよ」


布団を剥がそうとする母さんの手を右手で止めて中に戻る。


「アアアアアアアアアアアアアア!? なんだいこれぇ!?」


また始まったよ。

その手には引っかからん.


「アアアアアアアアアアアアアア!? なんだいこれぇ!?」


連呼しても無駄だよ。


「アアアアアアアアアアアアアア!? なんだいこれぇ!?」


し、しつこいぞ!

母さん!

流石に様子がおかしいと思い布団から這い出てみると、母さんがゲーミング発光していた。


「母さんがゲーミング色に!? 通販の怪しいサプリメントでも飲んだの」


「通販の人への風評被害だよタカシ! なんでも怪しいと思って疑心暗鬼になる! だからあんたは無職なんだよ! これはあんたに触れられてなったの!」


「流石にそんなわ……スマホがゲーミング色に……」


信じたくはなかったが俺の手が触れた瞬間にスマホがゲーミング発光し始めたので、信じるほかない。

クソ。


「クソ、こんなんじゃもうどこにも行けないじゃないか! なんで俺ばかりこうなるんだ! もう出てくれよ! 俺はスマホゲーのデイリーやらなくちゃいけないんだ!」


「タカシ……」


---


流石に昨日は言いすぎたな。

ちょっと気が動転していたとはいえ、ゲーミング色になってしまった母さんの方が被害がでかいと言うのに。

飯食ったら、母さんに謝ってハロワ行くか。


「なにこれ怖」


ドアを開けて盆に置かれた朝飯を見ると、いつもの納豆ご飯ではなく、シャトーブリアンのステーキだった。

いくらなんでもおかしいだろこの待遇は。

それとも「お前をシャトーブリアンする」と言うメッセージだとでも言うのか。

ちょっと聞くか。


「もしもし母さん。飯が豪華すぎんか今日」


『やだねえ! タカシ! このくらい当たり前よ!  昨日、趣味のライブ配信してたらゲーミング色が物珍しかったのか、世界のプロゲーマーたちからスパチャで20247億万送金されてね! お母さんもう億万長者なのよ!』


「そんなバカな」


それだけ大それたことが起こったのならばSNSで話題になってるだろうと思い、SNSを見て真偽を調べると、『カアチャンの元にプロゲーマーらから大量の求婚』『零細ストリーマーカアチャン一夜にして億万長者に』『ネットに現れたゲーミングシンデレラ』と次々に母さんのことが書かれた記事が出てきた。


「本当だ」


その後俺は家族に感謝され、ハロワに行く必要は無くなった。




 

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