色ンな人生

千瑛路音

 色といえば、自分のページの色は人によって違っていますよね。

あれって、つまりはジャンルの違いなんでしょうか?


自分の場合、ジャンルがエッセイとノンフィクションなので、それで黒なのかなと思っています。


ちょうど、ペンネームの部分が背景真っ黒になって、少し気分が暗くなります。

自分は比較的、黒がいいという人なのですが、大人になるにつけ、だんだん黒という色が何を意味するのかというのを肌で感じつつあります。


なので、まるで遊びがない現実的なジャンルであるエッセイや特にノンフィクションは黒がぴったりだと思っています。ただ、自分の性格の暗いのを見透ミスかされているようで、少し憂鬱ユウウツになってしまうということです。


一方で、黒はほかの色をすべてカクせる、すべて飲んでくれる度量の大きな色なんじゃないかなとも感じます。


逆に白だとちょっとした色の違いが際立ってしまって白の高潔さを損なう恐れがある気がします。


遊びもまじめも幸せも不幸もすべて飲み込んでくれる黒の中にいつまでもヒタっていたい、そんな自分です。


そんな自分も最近は、ウォーキングなんかやっています。以前は毎日のようにやっていましたが、それがいったん途切トギれ、だんだんと太ってきました。


大体、生活習慣病が気になる体重をかなりオーバーした時分に、一念発起して、ウォーキングを再開することにしました。


目指せホワイトへの道です。近所の坂道を緩やかに登っていくとだんだんと何か体が浄化されていく気がします。


泥沼の中を肺魚が息をするために水面から顔を出すと、思った以上に青空が広がっていて頭空っぽでぼーっとしている。いい気分だなと何もかも忘れていて、ふと泥の中に置いてきたいろいろなものが頭をもたげ、思い出すことが苦痛な時、このまま灰色の石にでもなってそこにとどまっていたい、そんなことを思ってしまいます。


黒でも白でもなく灰色の人生をこのまま歩いていかなくてはならないのかと思うと少し憂鬱です。

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色ンな人生 千瑛路音 @cheroone

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