第10話

その男子生徒をよく見てみると懐かしい気持ちがした。でも誰だったかを考えていると、その男子生徒は俺に「やっぱ覚えてないかな?俺は中学上がるまでバレーを一緒にやってた加賀美孝浩だ!まさか高校が一緒だとは夢にも思わなかったわ。」と言った。確かに孝浩の面影があった。アイツはまた仲良くしようとしているが俺と孝浩が仲良かったのは過去の話。俺はもう家族以外は信じないし関わりたくない。それにバレーやろうと誘ってきそうだし。俺は孝浩に「そうだな。でも俺はもうお前と関わる気はない。それに高校でバレーはやらない。それと亮太先輩、勧誘してきたってバレーをやるつもりはありません。」と言うと俺は顔を伏せ寝る体制に入った。少し冷たい言い方かと思ったが正直な気持ちだったため訂正はしなかった。顔を伏せたから表情は見えないが多分、孝浩は驚いた表情をしているだろう。孝浩は何度も俺に「どうしたんだよ、洸。高校でも仲良くしようよ。それにバレーやらないってどういう事だよ。小学生の時だって楽しそうな表情でバレーやってたし中学は学校違ったけど、洸は強豪校行って全校大会にも出場してたじゃん。俺、見に行ってたんだよ?なのにバレーやらないって」と言っていたが俺は無視した。亮太先輩も「俺も話したいことあるんだ。お前、全国大会の準決勝で敗けたからやらないって言ってるのか?俺はお前が強いからバレーしたいのではない。少しはあるけど、俺はお前とバレーをしたい、そう思ったから誘っているんだ。また放課後に誘いに来るからな。」俺は亮太先輩の気持ちに少し心が揺らいだが、無視をした。孝浩と亮太先輩はチャイムがもう少しで鳴るからと自分の教室へ戻って行った。

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