レインボー戦隊ナナレンジャー

維 黎

戦う前の争い

赤:「ナナレンジャー、レェェェッドォォォォ!!」

橙:「ナナレンジャー、オレンジッ!!」

黄:「ナナレンジャー、イエロォ!!」

緑:「ナナレンジャー、グリーン⤵」

青:「ナナレンジャー、ブッッッッルゥー!!」

藍:「ナナレンジャー、インディゴッ!!」

桃:「ナナレンジャー、ぴ~んく💕」

紫:「ナナレンジャー、パープル!!」


八色:「七人揃って――」


赤:「――ちょ、待て待て、まてぇぇぇぇぇいッ!!!」

橙:「ンだよ、レッド! ポーズも揃って、あとはキメ台詞だけだったのに!」

桃:「そうよ。怪人やジョッカーの皆さんがワタクシの登場を心待ちにしているのに。んもうッ!」 

赤:「いや、八人いるのは普通におかしいだろ! 俺たち虹色レインボー戦隊だぞっ! 虹っつったら七色じゃないかッ!!」

青:「確かに。一人多いな」

紫:「誰よ、余計な人は?」

藍:「……どうでもいいけど早く終わらせて帰りたいんだけど僕。今日は夕方5時から『プリティ魔女ッ子マダム』の放送日なんだから」

黄:「魔女ッなんかなんかどっちやねんな。それ」

赤:「こほん。――ピンク、なんでお前がここにいるんだ? 虹色に桃色はないんだが?」

桃:「えッ! ワタクシ!? 何を言っているの!! 戦隊モノに桃色は必須じゃない! そう、カレーに福神漬けが必須なようにッ!!」

黄:「いや、別に福神漬けの代わりで、らっきょうとかピクルスとか付いてくるとこもあんで?」

桃:「うるさいわねッ! イエローだからってカレー通ぶってんじゃないわよッ!」

紫:「そうね。ピンクがいなくても私がいるから大丈夫よ。色は当然として女性枠としてもね」

桃:「あ”? おばさんは黙っていてもらえますぅぅ?」

紫:「お”? 誰がおばさんだ? このアバズレがッ!」

赤:「おい、こんな時に喧嘩始めるなよ。それに確かにパープルの言い分も一理ある。桃色と紫色は似てるっちゃ似てるからな」

桃:「なによッ!! 似てるって言うなら緑と青はどうなの!? 信号で言えばどっちも『あお』じゃないのよ! 電光は緑なのに青って言うの人生で一度くらいおかしいと思ったことあるでしょ!!」

藍:「晴れた日の空と『青い光』は見えにくいからとか諸説あるけど、日本人は『緑』って色の認識が希薄なのはあるね。『青りんご』とか『青汁』とか、『緑』なのに『青』って表現することが多いんだ」

桃:「ほら、みなさい! 緑色か青色はどっちかでいいんじゃないッ! っていうか

藍色って『青』なんじゃないの? そもそも『藍』がインディゴって今回調べて初めて知ったわよ」

藍:「ん。僕は抜けてもぜんぜん構わないよ。っというかそっちの方がいいかな。好きなアニメを録画だけじゃなく、リアルタイムでも見れるから」

赤:「ダメダメッ! インディゴ君のことは代議士先生おとうさまからよろしくって言われてるんだから、抜けられると俺が困る」

橙:「ケッ、日和やがって」

桃:「じゃ、やっぱり緑色と青色のどっちか外しなさいよ。なんだったらもう緑色に決めちゃいましょう? だってグリーンってばさっきから一言もしゃべってないじゃない。登場シーンでもテンション低かったし」

赤:「あー、グリーンはまだ日本語がうまく話せないんだ。前のグリーンの人が辞めてから急遽募集したんだけどなかなか来なくて、国籍問わずで募集したんだよ」

青:「リーダーってのは大変だな。時給150円UP以上の苦労をしてそうだ」

赤:「――仕事面のトラブルならまだいいんだけど。人間関係の折衝となると正直、しんどいんだよな」

桃:「なによそれ。ワタクシに対しての当て付けかしら!?」

赤:「いや、別にそういうつもりは――」

桃:「ふん! いいわ! こんな仕事辞めてやるわよ! もっと環境の良い職場見つけるからッ!」




赤:「ナナレンジャー、レェェェッドォォォォ!!」

橙:「ナナレンジャー、オレンジッ!!」

黄:「ナナレンジャー、イエロォ!!

緑:「ナナレンジャー、グリーン⤵」

青:「ナナレンジャー、ブッッッッルゥー!!」

藍:「ナナレンジャー、インディゴッ!!」

紫:「ナナレンジャー、パープル!!」


虹色:「七人揃って――レインボー戦隊ナナレンジャーッ!!」


怪人:「現れたわねッ! ナナレンジャーッ!!」

赤:「これ以上の悪逆非道は俺たちが許さない! 覚悟しろ! 怪人ショッキングピンク!!」



――了――

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レインボー戦隊ナナレンジャー 維 黎 @yuirei

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