今まで勤めていた都会の会社を辞め、地元に戻った主人公。
スーパーでパートタイマーを始めるも、臨時の雇用は常に打ち切りと隣り合わせ。
そんな時、同じパート先の女性から「次の仕事決まってないんですか?」と話しかけられて……。
どこで、だれと、なにをして働き、どう生きたいのか。
就職は人生の大半を費やす一大事だというのに、それを真摯に選ぶことは何故か「贅沢」扱いされているような気がする。
与えられた細い選択肢から、あたかも自分で選んだような責任だけは押し付けられて、私たちは社会人になってきたのではないだろうか。
再び人生の大きな岐路に立った主人公は、31歳。
杓子定規の自由を抜け出し、つかみとれ、自分だけの自由を。
私も、この物語を読んだあなたも、なにもかもがまだ、遅くなんかない。