愛しのベビー。〜悪魔はお嫌いですか？〜

第2話：インフェリア。

で、俺は何が？誰が？出てくるのか、好奇心にかられて押し入れを開けたまま

がんばって最後まで見ていた。

そしたらば・・・なんと壁から出て来たのは一人の女の子。

「よいしょっと・・・・ふう・・・・」

その女の子は体まで、すっぽり出て来ると俺を見て背伸びしてから大あくびをした。

で、申し訳なさそうに言ったんだ・・・。

「どうも〜・・・おじゃましますぅ〜」って。

「あ・・・ああどうも・・・いらっしゃい」

なに、言ってんだ俺・・・。

でも、なんで押し入れの壁から女の子が出て来るんだよ？

しかも一目見て超絶可愛いしさ。

・・・ってか？・・・セーラー服着てる？・・・なんで？

なんでJKが壁からで来るんだ？

なんで最初っからセーラー服着てるのか意味が分からん。

御都合主義ってやつか？

こう言うのって普通なにも着てないってのが定番なんじゃないのか？

って俺はなにを期待してんだ？

「あの・・・ここから出ていい？」

「あ、どうぞ・・・」

その子は、もぞもぞと押し入れから出てきた。

「ああ、よかった」

「誰か男の人さえいてくれたら、どこでもいいんだけどぉ・・・

その子は当たり前みたいに押入れからごそごそ出てきた。

「あ、こっちに座って・・・ここ」

俺は彼女をソファーに座らせた。

「ありがとう・・・」

俺はふと占いのばあさんの言ったことを思い出した。

これがそうなのか？彼女って？変わった女ってこの子のことか？・・・まじでか？

「え〜と？・・・あの・・・まず君？だれ・・・かな？って質問」

「なんで押し入れから出てきたの？・・・」

「それに・・・少なくとも君、どう見たって人間じゃないよね」

「俺の目の前にたしかにいるんだから、人間じゃないって認めざるをえないよね？」

「そんなにいっぺんに聞かないで・・・」

ちゃんと確認するとだな、彼女の髪は金髪、でもってなに？ツノらしき

ものが頭からニョキって出てるし・・・

瞳の色は？グレーか？・・・で笑うとチャーミング、エキゾチック＆キュート。

加えてちょっと妖艶。

瞬時にしてなんてすばらしい観察力。

　それにしても俺の平凡な日常に飛び込んできた思わぬエクスペリエンス。

「君って何者？・・・名前は？」

「私？・・・私の名前はベビー・デモア」

「で、インフェリア」

「べび〜・・・でもあ？」

「ベビーってのが君の名前か？で、苗字がデモアってとこかな？・・・で？

インフェリアって？なに？」

「インフェリア・・・夢魔とも言うし・・・サキュパスの部類」

「え？、あ、悪魔だって？」

「私たちを悪魔って呼ぶのは人間だけだよ」

「そうなんだ・・・」

「ってか？なんでセーラー服なんか着てんの？」

「裸じゃ寒いし・・・裸じゃエッチいでしょ？」

「たしかに理屈だ・・・」

彼女、悪魔・・・あ、インフェリアとかだってよ。

占いは信じなけど、でもたしかに占いのばあさんの言ったとおりになったわ。

つづく。