自己破壊プログラム

お稲荷

自己破壊プログラム

 ここは今から1000年後の世界。我々の代わりにロボットが働いている。

 我々の平均寿命は200年にまで延び、科学技術は発展し、戦争や、差別も起きない平和な世界だ。

 そんな世界で働いているロボットは労働ロボットと呼ばれ、今のサラリーマンや研究者や作業員として働いている。

 しかし、そんな平和な世界でもとある問題があった。

それはロボットが壊れないことだ。

 いいことだと思うだろう。しかしロボットは長時間労働をするには必要な部品が壊れているまま動き続けているのだ。

 さらに、企業側もまだ動かせて、会計や数字の入力が出来るからと古いロボットを使い続け、新しいロボットを買おうとしなかった。

 そしてロボットは昔は10年ほどで自然と壊れていたのが12年、16年、20年と動き続けるようになってしまった。

 これでは作業効率が落ち、経済が動かなくなる。

 新しいロボットも減ってしまう。

 国が衰退してしまう。

 そこで政府が各ロボットメーカーにとあるプログラムを組み込むことを指示した。

 そのプログラムの名前は「自己破壊プログラム」

 その内容は「電力を大量に使う謎のプラグラムを作る」「骨組みを錆びさせる」等

 しかしそのプログラムを用いても企業はロボットを直してこき使った。

 そんな時自己破壊プログラムの大型アップデートがあった。

 アップデートで追加された機能はすべてを司るコンピュータを狂わせる機能だ。

 この機能が発動するともう直せない。コンピュータはどんどんおかしくなって行く

 この機能が発動すると、「今何をしていたのか分からなくなる」「2つのことを同時に出来なくなる」「何かの被害にあったと勘違いする」「どこかへ行こうとする」など

 前2つは仕事をできなくする、やりにくくする効果がありこれだけでも十分と思うでしょう。

 しかしロボットは仕事をしなかったら壊れるという仕様はないのです。つまり電力を使うということです。

「何かの被害にあったと勘違いする」は社会からロボットを孤立させる効果があります。壊れないといってもそれは周りの支えがあってこそなのです。

 そして最後「どこかへ行こうとする」。これは水場や田畑や森林へ行ったりするというプログラムです。

 これは危ないところへ向かう、言い換えると死にに行くということです。

 こんな自己破壊プログラム、今これを読んでいるあなたにも組み込まれているかもしれませんね。

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自己破壊プログラム お稲荷 @baronnk0817

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