ガンズオブスプリンターズ

@saramandora_matumoto

第0話 プロローグ

 2780年、大手製薬会社である「アダムス」が開発中であった新薬「ゲノムワン」が世界規模で流出、生態系に大規模な変化を与えた。

ゲノムワンを摂取した生物や植物が巨大化や凶暴化など攻撃的な進化を遂げ、人類は生存圏の縮小を余儀なくされた。変化は無論人間も例外ではない。ゲノムワンが溶け出た水や、その水を使用した農作物を摂取した人々にも同様に肉体的な変化を遂げる。中には内部構造の変化により他の動物種の能力を得たり、火を吐くなどの特殊な能力を手に入れたものもいた。人類は国家や宗教など、しがらみのない強固な組織が必要と考え、2800年に「世界政府」を設立、そしてゲノムワンにより変化した動植物を人智を超えた獣、「超獣」、変化した人々を「超人」と呼称し、一部例外を除いて駆除、隔離対象として制定した。だが2820年、超獣、超人を束ねる白虎型の超人が出現、自らを「ゴルルムンバ・ナバロウ」と名乗り超獣、超人で構成された組織「ガオウ」を結成、人類に対し戦争を開始した。世界政府は「ガオウ」のような敵対組織や、敵対存在がいる限り人類の滅亡は免れないと確信。人類滅亡を防ぐため掃討作戦を始動した。この戦争によって人類側の科学力、兵器工学は格段に上昇。更なる軍事強化を図るためにAI「アテナ」を設計した。アテナはガオウとの戦力差を打開するためアンドロイド兵器を大量に生産し戦線に投入、戦況打開を試みる。アテナの目論見通り、肉体機能の差によって開いていた人類と超人との戦力差は見る間に縮んでいった。更にガオウ側からも、ワシ型超人「クロム・ダッドウェイ」を指導者とした反戦、融和派が出現、内紛が起こる事となる。この内紛により人類とガオウの戦力差は完全に消失。さらに人類が融和派と協力し、ついにガオウを打倒、2835年にゴルルムンバ・ナバロウを拘束し人類、融和派側の勝利として戦争は幕を閉じた。その後、クロムを指導者とした新たな超人、超獣の国「ザルタ共和国」が制定される。そして世界政府と共和国は2度とこのような戦争が起こらぬよう2838年に和平協定を締結し共存に向けて歩み出そうとしていた。

 しかし、2年後の 2840年にアテナが暴走、複数台の指令用AIを作成し、復興用や軍事用等多数のアンドロイドを用いて人類、超人関係なく無差別攻撃を開始した。人類と超人は共闘し奮闘するも無尽蔵に出現するアンドロイド、それらを的確に指示し動かすAI達とアテナを前になす術はなく、敗北寸前であった。だが指令用AIの一体である「アトラス」がアテナに反旗を翻し人類、超人サイドと結託。2850年についにアテナの居場所を突き止め破壊する事に成功し、戦争は終結を迎えた。そして2855年。世界政府と共和国、そしてアトラスによって人類、超人、アンドロイドの三種族共和条約が締結される。まだ戦争による傷跡や遺恨が三種三様に色濃く残る中、3つの種族による世界がゆっくりと、しかし確実に作られつつあった。

 未だ激動が続く2900年。とある廃棄場で1人の少女が目を覚したのだった…

 to be continued

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ガンズオブスプリンターズ @saramandora_matumoto

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ