夢と幻想の理想郷(リベリタス)
鳳隼人
第一章 始まりの出会い
プロローグ
夢が現実に現れるようになってからはや7年。
7年前に起きた
人は夢を見る事を恐れ、夢を見る事を諦めた。
しかしそれは決っして止められるものではない。
「どうして、邪魔するの!!」
「答える義理はない」
「なら、私の夢から出て行ってよょーー!!!」
世界の崩壊が加速した。
ここからがラストスパートだ。
俺はステージの陰から彼女を斬る。
「イヤァァァァーー!!!」
繋ぎ目が見える布人形の体が崩れていき本来の彼女の姿を取り戻す。
「そんなにモデルになりたいなら良い師匠を紹介してやる」
俺は彼女を抱えてゲートからこの夢から脱出した。
「お帰り、テラー」
夢から出るとアルテがいた。
「今戻った、アルテ」
「ドリーマーは?」
「平気だ」
俺は夢から連れ出した彼女をアルテに預ける。
「うん。カオスもほとんど抜けてるし、ちょっと経てば自然と」
その時、ドリーマーである女性が光に包まれ消えて行った。
「夢から覚めたか」
「そうね。・・・私達も帰りましょうか」
俺とアルテはゲートが塞がるのを確認してランウェイから去る。
***
「そんじゃ、はい。これが今日の報酬ね」
「おう」
俺は
「それじゃあ学校でね」
篠崎と駅で別れる。
「疲れたし、外食でいいか・・・」
適当に駅前のレストランを見て回る。
『またしても謎の集団、ナイトメアにより
東京によくある巨大モニターのニュースを聞く。
『東さん。彼らについてどう思いますか?』
『彼らは正規の部隊ではありませんが軍の中でも上位の実力者なのは間違いありませんね』
『ほう、まさか対虚界特殊部隊の軍隊長である東さんがそこまではっきりと言うとは』
『私とて覚醒者です。夢を覚ます者として、そして一軍人として彼らの実力は認めています。しかし勝手に夢に入るのやめてもらいたい。もし、失敗でもしてしまったらその対処は我々がするのです。ここは我々に任せていただきたい』
自信満々に言うクセに、まともに依頼も受け付けないお前らが何を言うか。
俺はレストランで飯を食って家に帰る。
今回のドリーマーはモデルに憧れる女子高生。
レベル2の世界だったが最近低レベルのドリーマーが増えてきているな。
何かが起きる予兆なのか…
チリン
「ん?」
チリンチリン
「なんの音だ?」
突然風鈴のような音が聞こえた。
今はちょうど春、5月の上旬だ、到底風鈴の季節ではないんだがな。
そう思っていると歩いていた道の横に石階段があった。
「階段?」
気になり近づいて階段の先を見る。
「あれは…鳥居か?」
少し上の方が霧がかっていることもあってよく見えないがうっすらと赤い門のようなものが見える。
超長い石階段と雰囲気的に鳥居だと思うが。
俺はその異様な怪しさを感じながらも階段を登ってみる。
「はぁ…はぁ…一体何段あんだよ…」
下で見ていたより明らかに階段が長くなってる。
「…着いた」
階段を登り終えるとそこには古くも立派な神社があった。
「ここは神社か?しかしこんな所に神社なんて・・・」
何度かこの道は通ったことはあるが、こんな階段も神社も見たことも聞いたこともない。
「圏外か…」
スマホを取り出しても圏外で使えない。
「…ん?なんだ…!?」
急に霧が濃くなり神社の奥から怪しい気配が漂ってくる。
周りを警戒し、そっと気を配りながら奥に進むと、そこには大きなゲートがあった。
「これは・・・・・・」
こんな大きなゲート、そうそうないぞ。規模からしてレベル4、いや5かもしれない。一度戻ってあいつらに相談を…
「…な、なんだ!?」
ゲートに背を向けた瞬間、とてつもない勢いで風がゲートに向かって流れ込み始め、俺も吸い込まれる。
***
「う、うぅー、ここは・・・」
目を開くとそこは幻想的な世界があった。
紅い神社を中心に池に森に草原と桃源郷のような世界だった。
「間違いなく夢の世界。だがこれほどの独自世界を持つ者なんて・・・」
「あなたが私の・・・」
「・・・・・・!?」
後ろを振り向くと一人のフードを被った少女がいた。
「君は・・・」
彼女がこの夢のドリーマーなのか・・・?
しかしその割に気配が・・・存在感が無い?
「私は・・・・・・彼女をお願い」
「彼女?…いやそれ以前に君は…!」
「お願い……助けて…」
少女はそれだけ言って消えていった。
「ちょっと!何を言って!?・・・・・・うっ!?」
ゲートからまた風が・・・・・・!?
俺は踏み留まることが出来ずこの夢から追い出された。
「私は…あなたをずっと見守ってる……」
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