トラウマのスライムと人助けと頭の中の声

第八話トラウマのスライムと人助けと頭の中の声


そして私はレンにスライムのところまで連れて行ってもらうことにした。

「ねえレンどうやってスライムを探すの?」

「どうやってって当然匂いで探すんだよ」

まあ当たり前かオオカミだもんね……

そう言ってレンはスライムを探していたが……

「ちょっとレン!スライムはどうしたの!?どうしてゴブリンばかり探して食べてるの!?」

「だってお腹空いたから、仕方ねえだろ」

せめてゴブリンじゃなくて身体がわかめの亀ワカメにしてほしい……だって今レンが血だらけですごく血の匂いがするから……少し気分が悪くなってきてる。

そう私がレンの背中で思っていたら

「ねえレンあれって!」

「ちょっと待ってどれ?」

「あれだよ!あれ……あのぉ大きくて透明なドバァってしてるやつ」

「…………どれ……あぁ、あれかそれじゃ行ってみるか」

レンはその物体に向かって走った。

「うわわわわやっぱり速いぃぃぃ」

舌噛みそう……というかよくさっきは噛まなかったな私。

「見て、レンあそこ、襲われてる人がいるよ!早く助けよう!」

「分かった分かった。全力で走るから落とされるなよ」

そしてレンがその物体に近づいた時に私は思い出した。

その物体の正体がスライムだと。

理由は二つ、一つ目は見た目が私が最初に会ったスライムと同じだったこと二つ目は襲われている人の状況自分と似ていたことの二つだ

私はその時の怖かった記憶も思い出してしまった。

回想

腕の皮膚がドロドロと溶けた

「っあぁぁぁぁ痛い痛い……腕がぁぁ溶けっ溶けてるっ」

回想終わり

私はあの後ミアに出会えたからどうにかなったけどもし会えなかったら私は死んでいた。

私は襲われている人を昔の自分と重ねてしまったのかもしれない……

「ちょっとレンここで待っててあの人を助けに行ってくる!」

「待つだけは嫌だね、私も戦う!」

そして私とレンはスライムに襲われている人を助けに向かった。

「今助けますから、あなたは早くにげ……その脚だったら逃げたくても逃げれませんよね。……レンお願いこの人をミアのところまで!」

「ああもう分かったよ!連れてきゃ良いんだろ……私も戦いたかったのにな」

ありがとうレン

それじゃっやりますか

私はこのスライムの倒し方を知っている。一度倒したことがあるからだ。

その方法は盾で潰して倒したので倒し方は潰すことなのが分かったのは良いのだが……私が今持っているのは剣だから潰すことは不可能だ。一体どうするか……

私がそう悩んでいる時突然頭の中から声が聞こえてきた。

「おいラウダ!おいって聞いてんのか!ちょっとお前の身体使わせろって言ってんだよ!」

「誰だよ、あんた。知らないやつに使わせられないよ」

「誰かってそんなのお前が一番知ってんだろ」

「…………もしかして別の人格ってやつ?」

「そうだよお前がずっと『別の人格なんていないだって見たことないもん、もしいるんだったら私に話しかけてよ別の人格さん、一人は寂しい…………ほら話しかけてくれないやっぱりいないじゃん』って否定しまくった別の人格の一人のユリウスだよ」

「ユリウスは私の中にいつからいたの?」

「お前が前世で電王見て変身!って遊んでた時ぐらいからだよ。その頃家で酷かっただろ……その時生まれたのが俺だ。つーかさ、お前別の人格なんていないなんて言ってたくせに、よく自分の中に別の自分がいる気がするって言ってたよな……なんで否定してんの?もう認めてんじゃん」

「……それは、ただ認めたくなかったから。なら小学校の時に何もしてないのに怒られたのもこいつ一人で会話してるなんて言われたのも全部ユリウスたちのせいなの?」

「ああ、あの時か……あの時はムカついたから勝手に身体を使ったんだよ。だからあんたからしたら気がつくと記憶もないし何もしてないのに怒られたって状況になったんだよ。あと家の壁を殴って壊したのも俺だ! それに会話に関しては……まあ俺だけのせいじゃない、あれはジュンヤとミキヤのせいだな。よくあいつら会話してたからお前の身体を使って……まっまあ俺も多少はしてたけど、ほとんどはあいつらだからな!」

「私はそれですごくいろんなこと言われたんだよ!こいつ頭おかしいって言葉が一番かわいい方に感じるほどの言葉を!」

「ああ、それはすまんな。それで一個いいことを教えてやる……お前のそのストレスで人格た〜くさん増えたんだぜ!」

「何もよくない。それで本題の身体を使わせるかどうかだけど」

「ああそれはもう良いや、だってもう身体使ってるし、お前が頭脳をしろ!俺は身体を動かすから……」

「……はあ分かったよ、もう!」

すると私の身体がムッキムキになった。

「ああ久しぶりだぜこの身体になったのは、なあラウダ!」

「そんなこと言われても私知らないよ。そもそもなったことがないよ!というかどういう原理なのこれ!?」

「そっかラウダはなかったな……まあ良いよく見とけよ!」

ユリウスがそう言ってスライムに向かって走っていった。

私たちがスライムに近づいた時あの時と同じように酸性の液体をかけてきたがユリウスがそれを避けて近くにあった木を倒しその木でスライムをぶっ叩いた。

「ほんと、どんな力してるの?ユリウス」

「いやどんな力って言ってもお前の身体だからなこれ……」

「私の身体だけどこんなにムキムキになるなんて誰が思うのよ!」

そしてスライムを倒したあと、レンと襲われてた人のところに向かった。

ユリウスが私の身体を使っているので走るのがすごく速い。まるでVRゲームをしているみたいだ!

うわっ今私たち馬より速いじゃん!

そして三十四分後私たちはレンたちのところにたどり着いた。

「ああこれラウダじゃないでしょ……もしかしてユリウスか?」

「久しぶりだなミア特訓の時以来だな」

「あれっラウダさん見ないうちに大きくなりましたね」

「ああ俺はラウダじゃなくてユリウスって言うんだ」

「双子ですか?」

「双子じゃなくて……別の人格ってやつ」

「別の人格というのはよくわかりませんがおかえりなさい」

「それじゃ変わるぞ、ラウダ」

了解

「ふう、ただいまミカさん」

「それでミアあの人は無事?」

「無事だよ。ちゃんと治したから」

「この度は助けていただきありがとうございます。私の名前はアメリアと言います。ギルドで護衛依頼を受け、達成したのでその帰り道にスライムに出会ってしまい……脚をドロドロに溶かされてしまい私の人生ここまでかと思っていた時にあなたたちに助けてもらいました。ですから私もあなたたちと一緒に行動させてください!助けてもらった恩を返したいのです!お願いします」

「私は大丈夫だよ。ミアとレンはどう?」

「私も大丈夫だよ。人数が多い方が楽しそうだし」

「俺も大丈夫だが、ちゃんと食べ物は食べさせろよ」

「あのぉ私はあなたたちと一緒に行動してもいいのでしょうか?」

「みんなアメリアと行動しても良いって」

「……ありがとうございます!!」

「私、もうすぐこの付近の洞窟でニャンガラシが大量発生するという噂を聞いたのですが行ってみませんか?」

「……ニャンガラシ!私も行ってみたいにゃ〜」

「なら俺はミカの護衛でいるからハナは行ってもいいぞ」

「ダイゼンさんも行きたいなら行っても良いんですよ私の護衛はいいですから」

「……でしたらミカさんとダイゼンさんも一緒に来れば良いじゃないですか」

「それで今気になったんだけどニャンガラシって何?」

「ニャンガラシっていうのはにゃ〜いろんにゃ猫の形をした唐辛子の魔物でペットとしても人気なんだにゃ〜」

「ダイゼンありがとにゃ〜」

「私もミカもダイゼンが来ることに賛成だにゃ〜」

「アメリアその洞窟の名前ってなんで言うの?」

「確か……猫守洞窟だったと思うよ」

「猫守洞窟って私の実家がある洞窟じゃにゃいか〜」

そしてみんなが驚いた。

「ハナの実家ぁぁぁぁぁ」と。

「にゃらみんなを私の家族に紹介させてくれにゃ〜」

そして私たちは猫守洞窟に向かうことになった。

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