第14話 性欲に負ける

なんだかんだでもう七月。


夏休みシーズンだ。


日差しが眩しく、気温が高いが、内陸の栃木は温まった海風のぬるい湿度がないだけまだマシかもしれない。


それに、この辺りは山が多くて風が強く、自然も豊かだから、都会よりかは過ごしやすいだろう。


で、夏の予定だが。


八月にキチレンジャー+白崎で海に行く予定はあるが、それ以外は……。


「ダンジョンだな!」


「ワン!」


ダンジョンを休暇中に、じっくり攻略だ!




迷宮端末のお知らせ欄を読む。


『武具強化』『武具修復』『浄化魔法陣』の実装。


『採取システム』『レアモンスター』『武具進化』を次回実装予定。


『全日本ダンジョン解放』は十月に実施予定。


なるほどなるほど。


じゃあ行くか!




二十階層までは草原だったが、二十一階層からは森のようだ。


密林ってほどではないので、刀を振り回すスペースはある。


二十一階層のモンスターは……。


『ピュイ!』


両腕両足が鳥の女、ハーピィだ!


……全裸。


……おっぱいばるんばるん。


一時退却。




テイムスキル購入。




「さあ行くぞ!!!!」


「ワフン……」


何?『性欲に負けるとは情けないぞ、ご主人』だと?


黙ってろこの犬っころがぁ!!!


あ、あと、因みに、ソラに訊ねたところ、ハーピィのような女の人型モンスターは、冒険者達の性欲の捌け口にされることが多いらしく、おかしなことではないらしい。


病気とかも持ってないから抱きたければ抱いていいそうだ。


倫理的にアウトでは?と思ったが、人間じゃないから人権もないしセーフでは?と返されて納得した。


「うーん、どれが良いかなーっと」


『ピュイ!』『ピィ!』『ピュピ!』


アレは可愛くない、アレもそんなに。


おっ!あの子は良いんじゃないか?!


余計なハーピィを斬り殺す。


最近できるようになった、魔力で足場を作って空中ジャンプする技術を使って飛び跳ねて、ハーピィ共の首を切断。


風魔法らしき、素早い魔力の刃を飛ばしてくるが、刀で弾けば簡単に無力化できた。


こいつらの強みは、空を飛ぶことと機動性があるってことなんだろう。


それ以外には、特に手こずる要素はない。


『飛行』のスクロールゲット。


討伐ポイントは千八百。素材は千。


『ピュピ、ピュイィ……!』


で。


年齢は十代半ばくらい、鳶色の瞳と髪、そして翼。総じてワシミミズクっぽい感じ。


鋭い感じの相貌ながらも、ちょっと困ったような顔をした美少女ハーピィ。


これを捕まえた。


『ピィ、ピィ……』


「おーよしよし!怯えなくて良いぞー!優しくしてやるからなー!」


『ピィ……?』


ところで、テイムってどうやって使うんだ?


はい、GM(ソラ)コール。


「もしもし?テイムスキルってどうやって使うんだ?」


『相手を屈服させれば良いんだよ』


屈服?


うーん、こんな感じか?


ワシミミズクハーピィちゃんをひっくり返して押さえつける。


『ピィ!ピイイッ!』


お、めっちゃ嫌がってるな。


「おらっ!大人しくしろ!」


何かこう、レイプしてるみたいで嫌だな。


まあ、抱くつもりではあるんだけどね!


よし、じゃあ、至近距離で軽く『咆哮』を浴びせてみるか。


「ガアアアアアアアッ!!!!」


『ピ……ッ?!ピエエエエエッ!』


あ、泣いちゃった。


かわいそうだなー。


ピコーンと端末が鳴った。


《ハーピィをテイムしました》


おー、できたできた。




「ピィ、ピィ……」


「よしよし、怖くないぞー」


しばらく抱っこしてやる。


「ピィ?」


あ、これ、言葉通じてねえわ。


こんな時はこれ!


『テレパシー』のスクロール!


これをハーピィちゃんに使います。


『ご主人、こわい……』


「怖くないよー」


『こわくない?いじめない?』


「いじめないよー」


『ご主人、どうして私をテイムしたの?』


「交尾したかったから……。それと戦力確保」


『ご主人、私と交尾したいの?』


「そうそう」


『交尾、良いよ?でも、私を守ってくれる?』


「オッケーオッケー!守る守るー!」


ハーピィちゃんを家に連れ帰った。




抱いた。




「いやー……、ノリで連れ帰っちゃったけど、どうやって隠そうかこの子」


『おうち、中、いればいいの?』


「そう、お外には出ないでね」


『たまに、ダンジョンに連れてってくれる?』


「もちろん。だから、俺以外の人に見られないようにしてくれ」


『うん、わかった』


あ、そうだ。


名前をつけよう。


ピヨピヨ言うから……、ピヨ、ひよ……、ひより。日和ちゃんで。


「じゃあ、今日から君は日和ちゃんね」


『ヒヨリ?お名前?』


「そう、お名前」


『ヒヨリ!』


あっ、てか服。


「もしもしソラ?モンスター用の服とかないのか?」


『ああ、そうだね、近いうちにショップに実装するよ』


しゃーない、しばらくは全裸で。




この夏休みの最中は、日和をスクロールで強化し、レベルをある程度上げることとする。


とりあえず、初期段階でこんな感じにしておいた。


×××××××××××××××

日和

Lv25


HP:64

MP:51

STR:68

DEX:112

VIT:47

INT:40

MND:40


SKILL

《飛行》《魔力爪》《強化》《テレパシー》《風魔法》

×××××××××××××××


ここからガンガン強化していくぞー!

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