心の炎
泡沫 知希(うたかた ともき)
蹂躙されたくないのだ
私は私の無知さに嘆いた。
何も気づけないまま、蹂躙されるという行為は嫌なのだ。
もし君たちが世界が定められていると知った時、どう思うのだろうか?
信じられないと思うのか。それとも納得するのだろうか。
私は怒りが込み上げた。
なぜ、定められた世界で生きなければならないのかと。
限られた人間だけが利益を得て、その他の人間は気づかぬまま利益を奪われていくことが許せない。
その事実が理不尽であり、未来や自由、当たり前が奪われるのと同じである。
私たちは知りたいことを知り、学びたいこと学ぶ自由を持っている。
我々は平等であるべきだ。
なのに、権利が奪われたことを気づかれないよう仕向けるのか。自分たちが利益を得るために、他の人間を陥れるのか。
ふざけるなよ…。
私は可能性まで奪われたくない。操り人形になんてなりたくない。
どうにもならないと諦めた顔を見て、私は決意したのだ。
私は奪われることが決まっている運命でも、変えてみせよう。もしかしたら、奪われるのかもしれない。でも、取り返す努力をしよう。
このまま何も気づけないまま蹂躙される人々を見捨てることはしたくない。
知った者たちの仕事ではないだろうか。私はそう考えている。
運命は変えられると言っていたのは、貴方じゃないですか…。そんな顔を見たくなかった。
それとも、変えられると信じている私自身が無知なだけでしょうか?若さゆえの無謀な決意になっているのでしょうか?
怖い話だと前置きをして話した貴方は、どうして私に伝えたのですか?意味は無かったのかもしれませんが…。
それでも、私が知ったことは何か導きなのではないかとも思うのです。
私は大切な願いを載せて、歴史を紡ぎ、伝えていくべき人だと思うのです。そのために私は生まれてきたのではないかと思うのです。
誰よりもと言うのはおこがましいですが、優しさを持っています。思いやりを持っています。話す能力と書く能力も持っています。人を見る目も持っています。感動や絶望もたくさん知っています。壮大で叶えられないと思われるような夢をたくさん持っています。
私が小さい頃からなぜか強く持っていた「救いたい」という信念はこのためではないのですか?
貴方に決意を聞かれぬまま話は終わりました。貴方が帰った後に考えたのがこれなのです。
どうしたらいいのかも分かりません。手段も方法も思い浮かびません。私のような小娘に何が出来るのかとも囁かれるのですが、このまま蹂躙されてしまうのは私が嫌なのです。
エゴかもしれません。もしかしたら、やっていることが同じに見えるかもしれません。
でも、私は皆が平和で平等に幸せに成長することができる世界を望むのです。
そういう世界に出来ると信じているから、私は行動することを誓いました。
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