Sunny smile

@tablegood0212

第1話

 静岡の小さな町の漁港である、30隻の船が出入りする。この町は漁で生計を立てている。沖には島も点在して、歴史を見ると海賊が居たらしい。この地域の男達は生まれると、海の海水で身体を清めるくらいに深い関わりがあった。男に生まれる事は漁師になる事を意味していた。最近では観光に訪れる人も多く、シラス丼を漁港近くの料理店で提供している。元々シラス丼は漁師飯で、弁当にご飯だけ詰めると、生シラスをご飯の上に乗せてわさび醤油をかけて船上で食していた。それが観光客の目に止まり今の人気を獲得したのである。今の時期、鯵や鰯を夜に網を仕掛けて朝方に回収する、港には競りを待つ仲買人達が沢山いる、漁師達は年々取れる魚の量が減ってきていると話す、どの位網の中に入るのかは朝にならないと分からないと言う。漁師達の間で、網の中にいる魚の種類や個体数が分かればいいと話が持ち上がった、漁長もこれからの漁港の未来を考えるとITを導入する事も考えようと地元の企業に相談したりしている。先日も企業の課長と漁長は東京大学の研究室を訪れてカメラを網の中に設置して、定置網漁を研究しようと言う話になった、網の中にいる魚の個体数や種類が分かれば、それを仲買人に伝える事が出来れば、新しい顧客の獲得に繋がるというのだ。私の家はこの町で魚の流通をしている。父が漁師で毎朝、鯵の水揚げをする、そして私が漁港で仲買人として店に鯵を卸す、母は鯵を購入して自宅の魚屋さんで一杯300円で販売する。私の家族は魚企業を経営しているのである。近々妹夫婦が料理店を始める予定である。私は32才になるが結婚は考えていない、それよりもこの町と漁の関わりを成長させる為に物語を応援したいと思っている。先日も町の活性化の相談を受けた、観光客を増やす為にはどうすれば良いのかと言うものだ。私はこの町は漁師町だから、男達に元気になって貰うしかないと声をかけた。父は今日も港へと寮に出掛けていく。

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