鬱になってないか?


【創作物と鬱】

 これは個人的な意見なんだけど、お兄さんの創作活動のきっかけは、「気分の落ち込み」なんだ。幼稚園生のときから親のドラゴンクエストやらFFシリーズのプレイ動画をみて育ってきた。それで自分の中には「ファンタジー世界」という理想郷が出来ていて、高校生のとき、得も言われぬ不安や鬱屈に耐えきれなくて創作に走った。


 つまり鬱状態が創作の起源で、寝る前の妄想の時間だけ冒険するのは、もう力不足だった。

 だから高校生という若さで創作物を読み漁り、書き上げる君たちに、少しだけ心配してる。


 心は元気?

 ご飯を美味しいと思ってる?

 陽の光は浴びているか?


 鬱状態というのは人生でだれもが何度も経験するもの。けど、それが慢性的になって、どんどん度合いが酷くなると鬱病になる。鬱病は怖い。僕は過去に恋人が死んで鬱病になった。全てに無気力になって、絶望する力もなくなる。


 創作活動も読書活動も、どちらも孤独だ。心が風邪をひいている時の孤独はかなり危ない。そういう時はスマホやPCをそっと閉じて、気の合う友達とダベりつづけよう。


 もちろん、そんな心配がない人は大丈夫。このまま読み進めてね。



【もし心がすぐれなかったら】

 高校生という年代は思春期真っただ中で、ホルモンバランスやら周りの環境やらで、知らず知らずのうちに心がやられていることもある。


 そういう時はまずストレスの原因から遠ざかる。そしてぜんぶ自分のペースでやる。


食べて

話して

歩いて

行動して

日を浴びて

寝る。


 こんな単純でカンタンなことでいいの? と思った人もいるかもしれないけど、鬱の怖い所はそこでね。つまりこんなことすら当たり前にできなくなりつつあるんだよ。

 逃げてもいいし、ずっと休んでいい。死ぬにはまだあまりに早いんだから。


 ちなみにこの方法はオトナになっても有効だから、ぜひ覚えておいてね。



【鬱と友達になる】

 さっきも言ったけど、鬱は人生でだれもが何度も経験するもの。もちろん鬱病になると大事だけど、単なる「鬱状態」ならみんなけっこうすぐ陥る。


 そこで、「鬱と友達になる」なんていう荒業もあるんだ。だって君たちもおにーさんも望んでないのに、あっちからやってくるんだから、それはもう、歓迎するしかないよね。


 鬱状態のときは、普段考えないようなことまで考える。それを一種の「思考ブースト」ととらえれば、「書く高校生」は普段とはちょっと変わった異質な文章を書けることになる。ファンタジー小説のシリアスパートや、おどろおどろしい魔界の森の描写とか。

 「読む高校生」は鬱の心が赴くままに読み漁ろう。普段はヤンチャなミステリーやホラー、ファンタジーを読むのなら、この時ばかりは「ラブロマンス」や「重たい純文学風」を読めるかもしれない。

 日々のカクヨム生活の刺激になる。


 そしてそのためにはまず、鬱に慣れなくちゃいけない。経験不足の時はつらいよ。

 人生の意味を考え出して、深夜に枕を濡らし、友達を陰鬱な長話に巻き込み、やる気が出ない。


 それを何度か経験すると、「またこれか」ってなる

 そしてうまく使おうとすると「やっほー!げんき?」になる。


 まとめ! とりあえず鬱がやってきたときは

・また来たね。「鬱」よ。望んでもないのに。

・ま、いっか。これは誰にでもあるもの

・いつか通り過ぎるから、せっかくなら利用してやろう

 と思っていれば、一日二日の心の落ち込みは怖くなくなるよ。

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