君は選ばれし存在だ


【文字を読まなくなった現代人】

 カクヨムを使って小説を書く高校生も、読む高校生も、僕は「選ばれし存在」だと思ってる。その理由は明白で、みんなオトナも子供も、スマホと動画しか見なくなっちゃってるからなんだ。


 電車で周りを見渡せばわかるだろう? 大人も子供もおねーさんも、猫も杓子もみんなスマホにつきっきりで、たいてい動画を見てる。

 動画はラクで、無尽蔵にある。今や自分で探しに行かなくても、ショート動画はスロットマシンを回すかのごとく流れ続ける。


 高校生だからまだ知らないかもしれないけど、オトナになればなるほど文字(本)を読まなくていい生活になっていく。もちろん仕事や生き方によって多少違いはあるけど、僕は今、ペンもほぼ持たない。


 そんな文字とペンを失った同級生、そしてオトナたちの現状を見れば、君たちがとんでもなく選ばれた存在であることは明白なんだ。みんなが寝そべってショート動画を見ているスキに、活字を読んで、紙に文字を書き込んでるんだから。


 その習慣、絶対に手放さないでね。将来スマホに依存する危険減るだろうし、本を読むときの抵抗感が全くなくなるだろうから。世の中の悪い支配者たちの権謀術数にはまりにくくなるよ。



【若きクリエイター】(小説を書いてる人向け)

 どんな歳でも作品を作り出すとまとわりついてくる恐怖

「自分なんかより優れた作り手がたくさんいるんじゃないか」

 そう思ってうまく筆が走らないなら、ちょっと聞いてほしい。


 今のオトナは一生のうち、だいたい40年くらい働いて、その後20年くらいの余生を過ごす。そういう人たちがだいたい7000万人くらいいる。これはみんなよりも人生経験とお金、知識が豊富な人たちの数だ。そう考えると自分以外のライバルがいると思うかい?


 けど実際は違う。その中でプロなんてごくわずかだし、そもそも小説を自分で執筆して、ネットで公開してる人なんてマジで一握りだから。カクヨムにいるから多く感じるだけで、例えば東京の人ごみめがけて小石いっぱい投げたとしよう。その時石があたる人はたくさんいるけど、小説書いてる人なんて一人二人いたらいい方。

 

 社会人ってね、フツーは時間も余裕もない。ましてやとんでもなく時間を費やさないといけない小説を書いたり読んだりするって、まずムリ。

 

 定年後の老人たちは時間が余ってるとはいえ、彼らもあまり脅威じゃないよ。だって考えてみれば、人生60年やってきてそれまで小説を書いてこなかった人と、弱冠高校生にして既に創造してる前途洋々な高校生と、どっちが伸びしろあるだろう?


 もしいま小説を書いていて、自分の力不足とか他人の才能に心折れそうになったときには、次の二点を思い出してほしい。


・創作活動をする人間はそう多くない

・うだうだ理由を付けて筆を持たない人がたくさんいる


 何度でも言うけど、高校生で筆を執る人なんてそう居ない。まずその行動をした自分を褒めよう。いいものが書けなくたっていい。その状態にいるのが上出来すぎるんだから。

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