境内

しらじらと明るくなってきた空の明かりを浴び、境内に積もった雪がキラキラと光り始めた。相変わらず子供達は楽しそうに遊び回っている。ただ一人、こちらに背中を向け立つルナ以外は・・

「なんだ。あんたはルナと友達だったのか」

俺は驚き砕けた口調になると、隣に座る男の顔をまじまじと見た。

「ええ」

男は薄く笑い自分の頭をかいた。

「友人達の中に入り、最初はぎこちなかったルナも暫くすると笑顔がこぼれ、着物のたもとで隠していた口も出すようになりました。本当に嬉しかった。やっとみんなで遊ぶことが出来た。あの時の気持ちは言葉で表せられないくらい本当に心から嬉しかったですよ」

目を細め嬉しそうに微笑む男。その目は、後ろを向いているルナの背中を見ている。

「ほかの友人達も楽しそうでしたし、やっぱりみんなルナの事を気にしてくれていたんだと思いました。でも、それは私の思い違いだったんですよ」

「思い違い?」

「ええ・・・・」

先程の幸せそうな顔から一転、眉間にしわを寄せ苦々しい表情になる。

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