第8話 学校とバイト
土日が終わり月曜日となった。
当然、学校に行かなければならないわけだ。
「悪いなリーシャ、お昼作れなくて」
「いえいえ、普通なら住ませてもらってる私がやるべき事ですから」
土日の疲れが溜まっていたせいか、寝起きが悪く、朝の時間に余裕が無くなってしまったのだ。
そのせいで自分のお弁当とリーシャの昼ご飯を作ることが出来なかった。
「お湯を沸かすのは出来るんだったんだよな」
「はい!それは完璧です!」
「じゃあカップ麺で我慢してくれるか?」
「わかりました」
「じゃあ行ってくるよ」
「はい、行ってらっしゃい」
リーシャは俺が玄関のドアを閉めるまで手を振ってくれた。
なんというか悪くない──いや最高な気分だ。
名前 : 天音 旬
Lv5
職業 : 無し
HP : 140
MP : 140
筋力 : 63(+3)
耐久 : 65(+2)
速度 : 62(+3)
固有スキル : <召喚・帰還>
<言語理解>
<複合>
スキル : <闇魔法Lv1>
<火魔法Lv1>
スキルポイント : 400
換金可能ポイント : 5190
昨日も討伐ミッション2個をやったが、それでも2000円。
もっと良い稼ぎ方は無いものかなぁ…………………。
そんな事を考えながら俺は学校へ向かった。
教室に入り、席に座ると前に座っている男が俺に話しかけてきた。
「よぉ旬」
「真守か…………」
「何だそのしけた面は、まだ月曜だぞ」
「休みが終わったという絶望感に苛まれてるんだ」
「お前、そんなだらけた奴だったか?」
「今週は特別疲れてるんだ」
異世界に行けるようになって、令嬢を拾って、お金を稼がなくなって、この全てが三日間で起きたとなるとさすがに疲れる。
「なぁ旬、今日のニュース見たか?」
「ニュース?見てないけど」
「ここら辺じゃねぇんだけどよショッピングモールで爆発事故が起きたんだってよ」
「マジか………………」
「この事故がな、めちゃくちゃ不思議でよ。爆発した原因が全く分からないらしいぜ」
「何だそれ」
「興味引かれるだろ?」
この流れはまずい───。
「いや、全く」
「はっ!?嘘だろ!原因不明の爆発だぞ!想像が膨らむだろ!例えばそうだなぁ…………超能力者がやったとか!」
「出たよ、超能力」
真守は都市伝説やオカルトなどの理屈が通じない系が好きなのだ。
なのでこういったニュースがあると真守は想像力をふくらませて語りまくるのであまり深く聞かない方がいいのだ。
「だって最近こういうの多いじゃん!一市民が一昔前の剣を振り回してたり、嵐でもないのに広範囲で停電が起きたり」
ですってよシェリアさん。
『あはははは……………………一体誰がそんな事を………………』
いつもの俺ならたまたまだろ、で済ませる話だが、この事故も含めて全部、異世界に行けるようになった奴らが起こしたんだろうな。
「噂によれば、別世界に飛ばされた人間が戻ってきたんじゃないかって言われてんだぜ。どうだ旬気になるだろ?」
へぇ〜意外といい線いってるんだな。
「………………そんな事より、稼げるバイトを教えてくれ」
「おいおい、ここまで来て興味無しか!さすがに凹むぜ」
悪いな真守、原因が分かってる俺からしたら都市伝説でもなんでもないんだ。
ちなみに俺は異世界のご令嬢と同棲しちゃってる状態だ。
あんまりこの話題を続けるのはボロが出そうだから避けたいんだ。
「コンビニのバイトで満足できなくなったのか?」
「まぁそうだな。今月からしばらくピンチが続きそうなんだ」
「俺に聞かれてもバイトしてねぇからなぁ………………。ていうかなんでピンチになるんだ?」
「えっ……………いや、まぁとりあえずピンチなんだ」
真守が俺に疑いの目を向けてくる。
俺は目を逸らしてしまった。
「言いたくないならいいけどよ………………もし彼女と忙しいとかなら教えてくれよな」
「そこは心配するな。俺に彼女が出来るなんて有り得ないからな」
「旬、あんまり誇るところじゃねぇぞ」
結局、真守から良さそうなバイトの話は出ず、放課後となった。
俺は家には帰らず、そのままバイト先であるコンビニへ向かった。
「お疲れ様です店長」
「おっ、旬くん来たのか」
店長の
黒髪ショートカットで目を下にはいつもクマができている。
年齢は20後半から30前半くらいの女性だ。
俺は服を着替え、藤崎さんの方へと向かった。
「旬くんレジお願いするよ」
「はい、わかりました」
コンビニでのバイトを始めて一年ちょっと、仕事にも大分慣れてきた。
ここでバイトを始めた理由は自宅に近いからという簡単なものだ。
店長も他のバイトの人達も良い人達ばかりで働きやすい。
※
「お疲れ旬くん」
「お疲れ様です店長」
バイトが終わった時にはあたりはすっかり暗くなっていた。
店長もちょうど仕事が終わったらしく、帰る時間が被った。
ふ〜、とタバコを吹く店長。
「あっ、悪いな。仕事終わりにいつも吸ってるから癖で付けちまった」
「いえ、俺は全然気にしてませんけど、あんまり吸いすぎないでくださいよ。仕事中たまに臭ってますから」
「えっ、ほんとか?」
「はい、ほんとです」
「そうか、気をつけるよ」
藤崎さんはどちらかというと仕事が出来る方だ。
だが少し抜けているところもある。
「それじゃあ店長、お先に失礼します」
「ああ、気をつけて帰れよ」
俺は店長別れ、帰路に着く。
早々にマンションへ帰った。
玄関のドアを開け、中に入る。
「ただいま」
「お帰りなさいアマネさん」
リビングの方からリーシャの声が聞こえた。
俺は靴を脱ぎ、リビングへと向かった。
そこには洗濯物を綺麗に畳んでいるリーシャの姿があった。
何か奥さんみたいだな……………。
「洗濯物ありがと」
「アマネさんもお疲れ様です」
「お昼は大丈夫だったか?」
「はい、とても美味しかったです。お湯を入れて待つだけであんなに美味しいものが出来るなんて驚きました。向こうの世界にもあったら毎日のように食べていたかもしれません」
「それは体に悪いからダメだぞ」
確かにカップ麺は簡単に出来て美味しい。
だからこそ世界中で売れているのだろう。
向こうの世界でも売れたりするのだろうか?
もし需要があるとしたら……………売るのもありかも───。
あっ、その手があったじゃん。
こっちの世界の物を向こうに売る。
リーシャが居るから売れそうな物は大体わかる。
「なぁリーシャ、明日学校が終わったら買い物行こうと思うんだが、付いてきてくれないか?」
「もちろんいいですよ!」
もしかしたらこれで金欠を脱出出来るかもしれない。
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