酒でベロベロに酔った年上お姉さんをお持ち帰りしてみた

理亜

第1話 バイトの先輩

「南くん、今から飲みに行かない?」

「え? 今からですか?」

「うん、今から」

「……」


 珍しいな、先輩から飲みに誘ってくるなんて……。

 いつもは俺から誘ってるのに。


「ダメかな?」

「いえ、ダメじゃないですよ。飲みに行きますか」


 俺がそう言うと、中野先輩はキラキラと目を輝かせる。

 嬉しそうだった。

 相変わらず、わかりやすいなぁ、この人。


「いつもの場所でいいかな?」

「はい、大丈夫ですよ」

「おっけ。じゃあ行こっか」

「了解っす」



 ◇◇◇



 

 居酒屋に到着した俺たちは席に座り、ビールと適当におつまみを注文する。

 5分ほど経過し、やっと店員が俺たちの席にやってきた。

 

「お待たせしました! こちらビールになります!」

「ありがとうございます」 


 届いたビールをゴクゴクと飲み干す。

 口の中に苦味が広がり、頭がクリアになる。

 美味いなぁ。


 チラッと前に目を向けると、中野先輩と目が合った。

 肩まで伸びた黒い髪。

 大きな赤い眸。

 形の良い鼻。

 薄い唇。

 彼女の顔を構成する全てのパーツが美しい。


 この人、本当に綺麗だな……。


 俺は酒を飲んでから先輩に話しかける。

 

「先輩ってよく飲むんですか?」

「最近はよく飲むよ。そのせいで太ってきたけど……」

「太ってるようには見えないですけど」

「いやいや……お腹とかちょーヤバいよ、触ってみる?」

「ん? ……触っていいんですか?」

「南くんならいいよ。はい、どうぞ」

「じゃあその……失礼します」


 中野先輩のお腹に触れた途端、柔らかい感触を感じる。

 少しだけ脂肪がついたお腹はプニプニしており、触り心地は最高だった。

 

「ね? 太ってるでしょ?」

「まぁ確かに、ちょっとだけ肉ついてますね。それよりこのお腹柔らかいですね。おっぱい触ってるみたいです」

「はぁ……これだから童貞くんは。おっぱいはもっと柔らかいよ?」

「へ? そうなんですか?」

「うん、そうだよ。私のおっぱいでよかったら揉んでみる?」

「……」


 おいおい、何言ってんだ、この人。

 流石にそれは……。


「ねぇなんで無視するの? 私のおっぱい揉みたくないの?」

「そりゃモミモミしたいですけど……」

「ふふっ、そっかそっか。南くんは私のおっぱいが気になって仕方ないんだね」

「先輩、絶対酔ってますよね?」

「ううん、全然酔ってないよ。私、お酒強いからね」

「酒弱い奴は皆そう言うんだ……」


 中野先輩の顔は真っ赤になっていた。

 絶対酔ってるだろ。

 まだ1杯目なのに……。


 相変わらず酒弱いな、この人。

 

「で、おっぱい揉むの? 揉まないの?」

「せっかくなんで……揉みます」

「ふふ、素直でよろしい。はい、どうぞ」


 俺は中野先輩の胸に手を伸ばす。

 胸に触れると同時に、中野先輩が「んっ……」と甘い声を漏らす。


 お、おい、変な声出すな……。

 いけないことしてる気分になるだろ。

 いや、待て。いけないことしてるのか。


「どう、柔らかい?」

「はい、お腹より柔らかいです」

「ふふ、でしょ」


 先輩の胸は俺の想像していた以上に柔らかかった。

 柔らかすぎて胸に指が食い込む。


 なんだこれ。

 先輩のおっぱい柔らかすぎるだろ……。


「前から思ってましたけど、先輩の胸大きいですよね」

「ふふ、そうでしょ。自慢のおっぱいだからね」

「何カップあるんですか?」

「Gカップだよ」

「……」


 Gカップ……。

 デカすぎるだろ。

 

「先輩、絶対モテますよね」

「うん、モテるよ」

「認めるんですね」

「だって事実だもん~」


 先輩、やっぱりモテるんだ。

 そりゃそうか。

 美人でスタイルも抜群だし。

 しかも喋りやすいし。

 男がほっとくわけないよな。


「何人と付き合ったことあるんですか?」

「ギリ両手で数えられるぐらいかな」

「ギリ両手で数えられるぐらいってことは……9人ぐらいですか?」

「うん、そんぐらいだね」


 俺の質問に先輩はノリノリで答えてくれる。

 お酒のせいで思考力が低下してるんだろう。

 シラフなら俺の質問に絶対答えてくれないはずだ。


「今は彼氏いるんですか?」

「いないよ」


 今は彼氏いないのか。


「気になる人は?」


 俺がそう言うと、先輩は恥ずかしそうに「気になる人はいるよ……」と答えてくれた。

 へぇ〜、気になる人いるんだ。

 誰だろ? 知ってる人かな?

 

「南くんはどうなの?」

「え? 俺ですか?」

「うん、今彼女いる?」

「いえ、いないですけど」

「ふふ、そっか、そっか」

「なんで嬉しそうなんですか?」

「さぁ、なんでだろうね」

「……」


 中野先輩、なんで俺に恋人がいるか確認してきたんだろう?

 もしかして、俺のこと好きなのかな?

 いや、それはないか……。



 ◇◇◇



 ビール飲みすぎて頭がポカポカしてきた。

 中野先輩も顔が真っ赤だ。

 やべぇ、飲みすぎたな……。


 つか、今何時だ?


 チラッと腕時計に目を向けると、0時15分と表示されていた。

 げっ!? もうこんな時間かよ。

 終電逃しちゃったな……。


「先輩、ヤバいですよ……」

「ん? どうかしたの?」

「終電逃しちゃいました……」

「え? まじ? もうそんな時間?」

「今0時15分ですよ?」

「げっ、もうそんな時間か……」

「先輩は帰れるんですか?」

「帰れないね……。私も終電逃しちゃったし」

「そうっすか……」

「……」

「……」


 こんな時間まで飲むつもりじゃなかったんだけどな。

 23時で解散しようと思ってたのに……。

 はぁ……仕方ない、ホテル行くか。


「南くんはどうすんの?」

「家帰れないんで、ホテル泊まります」

「じゃあ私も一緒に泊まる」

「へ? 一緒に……?」

「うん、一緒に泊まろうよ。ダメ?」

「ダメに決まってるでしょ」


 俺がそう言うと、中野先輩は頬を膨らませる。


「なんでダメなの……?」

「一緒に泊まるのは絶対ダメですよ。俺、絶対先輩のこと襲っちゃいますよ? それでもいいんですか?」

「うん、いいよ」

「ん? 何がいいんですか?」

「だから、アタシのこと襲ってもいいよ?」

「……」


 この人、何言ってんだ?

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