第28話 クイーンズランド
クイーンズランド州に休暇に来ています。ケアンズから車で一時間のところにある、ポートダグラスというビーチタウンに滞在しつつ、周辺の名所を巡る旅です。
ポートダグラスは、ザ・観光地といった感じで、青い海に白いビーチ、巨大なヤシの木が町中にはえてます。私たちが滞在しているのは、築ウン十年のレトロなコンドミニアムですが、周辺もホテルやモーテルやコンドミニアムばかり。生活感がまるでありません。地元の人たちはどこに住んでんのかな〜と疑問です。
ポートダグラス、今日の最高気温は28度です。冬のビクトリア州から来ている身としては、暖かくって、それだけで幸せな気分ですね。このへんの宿泊先は、どこも必ずプールが付いていて、徒歩3分のところにビーチがあります。プールもビーチも日課のように通っています。はっきり言って最高です。
昨日は熱帯雨林を大きな浮き輪のようなものに乗って川下りしました。川の水は少し冷たいのですが、気候がいいのでちょうどいい感じ。ガイドさんが「飲んでも大丈夫」と太鼓判を押されるくらい、澄み切ったきれいな水です。川縁にはビクトリア州では見られない植物が、地上から何メートルも上まで繁っていて圧巻でした。
大人だと、熱帯雨林の中を散歩するだけでも楽しいのですが、子どもは途中で飽きたりするので、川下りは大人も子どもも楽しめて当たりでした〜。
今日は世界遺産ディンツリー国立公園内にあるモスマン渓谷を探索しました。駐車場からシャトルバスに乗り、熱帯雨林を5分も歩けば、エメラルドグリーンに輝く川に着きます。
まるで絵本の世界に紛れたような景色の中、川の中に入って泳げるんですよ〜! こちらも水は冷たいのですが、思い切ってザブンと入ってしまえば気持ちがよく、岩から深いところに飛び込んだりして、家族四人で満喫しました。
一つ難点をあげれば、人だらけってところでしょうか。観光地だからしょうがないですね。こんなきれいなところ、みんな行きたいですからね。大自然と資本主義の大交差点みたいなとこでした。
あ! 人だらけで思い出したんですけど、若い男性が足を滑らせて岩に頭をぶつけて、割と派手に流血してました。歩いて帰って行ってたので、たぶん大丈夫だと思うのですが、お気の毒でした&怖かったです。
前のエッセイにも書いたのですが、大自然の中にいる時、1分だけ目を閉じると、今まで気づいていなかった鳥の声や川のせせらぎなどが、ハッキリ意識でき、別世界にいるような気持ちが味わえます。目を開くと、豊かな緑が視界いっぱいに飛び込んでくるので「うわぁ!」ってなります。
こういう時の1分って、けっこう長いんですよね。今日は家族みんなでやってみたのですが、息子がすごくおもしろがってくれて、帰る前も「もう一回」と自分からやってました。大きくなったなーと母としては感慨深いものがあります。
先ほどコンドミニアムに戻り、川でさんざん泳いだのに、子どもたちが「プール行きたい」と言うので、今プールサイドに寝転んだまま、スマホでこのエッセイを書いてます。
「楽しいイベントは、その渦中にいる時よりも、その日を楽しみにワクワクして待ってる時間のほうが幸せを感じるものだ」みたいな説を聞いたことがあります。
そんなものかもしれないな、と思い、この休暇を楽しみに待ってた時間を、せいいっぱい楽しんでたんですよ。「もしかしたら今こそ楽しさのクライマックスかもしれない」と(←バカ?)。
ケアンズ行きの飛行機に乗った時は、「この休暇の楽しさのピークはもう去ってしまったのかもしれない」とさえ思いました……。
そんなことはなかったです(笑)。今、休暇の真っ只中ですが、想像してたのと同じレベル、もしくはそれ以上に楽しいです。こんな経験をさせてもらって、バチが当たりそうです。ありがたや、ありがたや。
明日は念願のグレートバリアリーフですが、楽しみに待っている時間も、めいっぱい満喫しようかと思います。実際どんな感じだったかは、来週のエッセイでレポしますね〜。
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