第19話 禁欲の悦び
ダイエットがサクッと成功しました。いつもは1ヶ月に1〜2キロゆっくり落とすんですが、今回は三週間で三キロ痩せました。
姉に毎日体重を報告するのが、こんなに効果があるとは! 目標は達成したのですが、リバウンド防止に、後ひと月くらい体重報告を続ける予定です。
運動を継続して消費カロリーを上げつつ、食事のカロリーを計算して摂取カロリーを下げる、というとてもオーソドックスな方法で痩せたのですが、今回、実はちょっと楽しかったです。
スマートウォッチを使って、カロリーという数値を追ったからだと思います。一日の終わりに、「今日は消費カロリーと摂取カロリーの差が○○○だった。今まで合わせて○○○カロリーもセーブしたぜ。にひひひ」という感じで、一人で悦に入るという生活。
なんとも貧乏くさいというか、優雅と対極にある生活だなと思います。何に似てるかって、金勘定にそっくりなんですよ。お恥ずかしいのですが、私は幼い頃から金勘定が大好きです(爆)。
小銭を入れる貯金箱の中身を出しては、お金をぜーんぶ足して「うわー、こんなにある(←小学生基準)。にひひひ」と悦に入っては、何も使わずに小銭を全て貯金箱に戻す、という遊びを何度もやっていました。どんな子どもだよ……と、書いてて今、自分がひいてます。
そして今、カロリー計算と並行して節約にもハマっておりますが、節約といえば金勘定です。
先月までは、食品は一つのスーパーでぜーんぶお買い物を済ませていました。「あのスーパーは冷凍品が安い」とか「あそこの肉屋は安くておいしい」とか、買い物上手なママ・パパ友さんから情報を入手しても、あちこち行くのがめんどうくさい、という一点で同じスーパーで全て買ってました。
「どうせ、1ドル、2ドルの違いでしょ。だったら時間を節約したいわ」と思ってたんですよね。
今月のモットーは「1ドルを笑うものは、1ドルに泣く!」です。ご近所さんお勧めのスーパーや肉屋で買い物をし、「え? このクオリティでこんなにお安いの?」と胸を踊らせ、「今日の晩ご飯は4人分で○○ドルかからなかったわ。おほほほほ」と心中でほくそ笑みます。
一日の終わりに金勘定をし、「今月は先月に比べてこれだけ節約できてる。にひひひ」と達成感を味わいながら床についております。金勘定ってなんでこんなに楽しいんでしょうね(←個人差あります)。
カロリーでも時間でもお金でも、有限なものを節約することに快感を覚える人は、私だけじゃないと思います。つまりは、禁欲というプレイなんですよ。
ただ、節約はやりすぎると生活に味気がなくなるんですよね。人が楽しく優雅に生きるためには、無駄というものが不可欠なんだよなぁと思います(あと、本当に優雅な人は金勘定なんてしない気がします)。
そこのバランスが難しいと感じるのですが、個人的には、エコはいいけどケチはダメなんだと思います。
例えば、「凪のお暇」という漫画で、主人公の凪が創意工夫を凝らした節約術を披露しますが、読んでいて「豊かだなぁ」と思いました。
旬の食材を買うとか、形は悪いけど品質に問題のない品物を買うとか、野菜の切れ端でも無駄のないように使うとか、そういうのはエコなのでいいなと思います。
それから、ハーブは家で育てるとか、ピザを生地から作るとか、本は買う前に図書館にないかチェックするとか、ちょっと手間のかかる系の節約は、時間と心の余裕がないとできないので、豊かな気がします。
逆に、夫が一斤12ドル(約1200円)もするフルーツ・ブレッドを買ってきてイラッとするのはケチで美しくないですね。でもパンが一斤約1200円って法外じゃないですか?! いくらメルボルンの物価が高くて、パン一斤の大きさが日本の1.5〜2倍だからって! 夢のようにおいしかったからいいんですけれども!
ま、そんな感じで禁欲生活を予想以上に楽しんでいる私ですが、ご褒美の「明日死んでも後悔しない日」には、普段は「カロリーも値段も高い」という理由で食べない、ケーキ屋さんのケーキでも食べようかなと思います。
私のような貧乏性な庶民にとって、贅沢はたまーにやるから嬉しいんですよねぇ。
みなさんは、禁欲プレイお好きですか?
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