第7話

A「なんか、食欲湧かないな。もう、帰ろ……」

C「おいっすー」

A「ふわぁっ⁉」


A「な、なんだ、あんたか。急に話しかけられたから、ナンパかと思ったよ。つーか、どうしたの? 珍しいね、このマックで会うなんて」

C「いっやー。いつもいつもラブラブな恋人とベッタリで、ウチらとは付き合い悪かったAが、ついにその恋人と別れたらしいって聞いてさー。可哀想だから? 励ましてあげようかな? 的なー? あ、そこ座るねー?」

A「……何それ」

C「え? 違った? だってAってば、いつも『忙しいー、忙しいー』とか言って、ウチらと遊んでくれるの、月に一回あればいいほうだったんじゃね? つーか、一番最近遊んだのって、下手したらハロウィンのコスプレパーティ? どんだけ人気アイドルだよ⁉って感じで、欲求不満だったんだぞー?」

A「い、いや……だから私、友だち多いからさ。いろんな子と遊ぼうと思うと、予定がすぐ埋まっちゃうんだよ」

C「でも、『誰かさん』とは、この時間に毎日会ってたんっしょ?」

A「……」


C「そーんな、毎日放課後デートをしてたラブラブカノピと別れちゃったAが、落ち込んでるんじゃないかなーって思ってさ。この優しいあーしちゃんが、満を持してやってきてあげちゃったってわけですよー」

A「カノピって言うなし」

C「じゃあカレピ?」

A「カレピでもないし。てか、ピじゃないし」

C「じゃあ、プ? それともペ? まさか……ポ⁉」

A「意味わかんない。全然おもしろくない」


C「きっつー! オッケ、じゃあパにしよ? パ、やんべ?」

A「は?」

C「クリパ、クリパ。クリスマスパーリィー!」


A「えー、めんどくさ」

C「でも、ピと別れたから24日も暇でしょ?」

A「だから別に、Bちゃんとはそういう関係じゃあ――」

C「大丈夫大丈夫。みんな、Aとおんなじで、クリスマスまでに恋人作るの失敗した独り身ばっかりだから。クリぼっち会だから」

A「おい、聞けよ⁉」


C「今年のクリパはすごいよー? なんせ……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る