第4話 アドベントカレンダー④

A「じゃ、次はいよいよBちゃんの番ね?」

B「い、いや……。だから私は、急には……」

A「えー、でもいつも私には無茶振りするじゃん!」

B「そ、それは……」

A「いいからいいから! 何でもいいから! ね⁉」

B「何でも…………えと、じゃあ」



B「私が考えたアドベントカレンダーは、1日目のポケットに……イワシを……」

A「え、イワシ? 魚の? 初日からナマモノは、きつくない?」

B「それで……2日目は、栗……」

A「クリ? なら、まあいい……か?」

B「3日目も、栗……」

A「またクリ? あ、もしかしてクリスマスだから⁉」

B「4日目も、栗……5日目は、松茸……」

A「急に豪華⁉ でも……なんかクリスマスっていうより、秋のごちそうって感じだね?」

B「6日目以降も、栗……松茸……栗……栗……栗……最終日まで、ずっと栗……」

A「ほぼ、クリずくめだね? 冬眠する熊用のカレンダーかな?」


B「それで……最終日の24日目になると、カレンダーから鉛玉が飛び出してきて……ドンと撃たれる……」

A「急にバイオレンス⁉」

B「バタリと倒れる中、カレンダーから聞こえてくる声は……『ごん、お前だったのか』……」

A「え、ごん、って…………あ⁉ 『ごんぎつね』⁉ 『ごんぎつね』だったんだ⁉」


A「いやいやいや、分かりづら! つーか、これは絶対分からないって! イワシ、栗、松茸で、ごんが兵十ひょうじゅうの家に置いてたものだってピンとくる人いないから!」

B「……だから、言ったのに」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る