第53話 ゴールデンウィーク?そんなものはない

りのあのスマートフォンがバイブする。


「お?大輔くんからだ」


りのあは、スマートフォンに出る。


「そっかーおっけーおっけー」


りのあは、一たちにVサインを送る。


「え?」


一には何が起きたかわからない。


「ジンクス狩りの犯人捕まえたらしいよ」


「そうなのですか?」


「うん。

 まぁ、一筋縄ではいかないだろうけどね」


「どういうことですか?」


「まぁ、そのうちわかるよ」


りのあは、そう言って小さく笑った。


一は思った。


「今は何月何日?」


「5月22日」


峰子が答える。


「え?5月4日の間違いでは?」


「ねんねしてたからじゃないかな?」


葉月が笑う。


「ゴールデンウィークは?」


「終わったわよ」


峰子が淡々と答えた。


「単位は?学校は?ってかみさきさんは?」


「私はここにいますよ」


みさきがそう言って人数分のジュースを持って現れる。


「怪我は?」


「ないよ」


「よかった」


一は心の底から安心した。

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