第20話 みかんはぶい!

一はその少女を見て驚く。


「私の名前は有田蜜柑です!」


そういった少女の顔に見覚えがあるから……

でも人違いだった。

顔は似ている。

でも別人。

そんな出来事は沢山あった。


そう思っていた。


でもきっとそう。

でもたぶんそう。


「あのどこかであいましたよね?」


一は勇気を出して言った。


「はい。貴方はバイバイの人ですよね。

 入学準備式のときに私をナンパしたんです!」


「うん……」


「え?知り合い?」


二人の会話に葉月は驚く。


「私、この人にバイバイされたんですよ。

 ね?斎藤一さん」


「僕のこと知ってるの?」


「はい、私もジンクス持ちなんです」


「え?」


「『みかんを食べれば食べるほど好きな人がしあわせになる』

 これが私のジンクスです」


蜜柑はそういってピースサインを作った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る