第2話 立つわけないさ

その男が一に声を掛ける。


「お前。

 立っちまうんじゃないのか?」


その男の名前は住永護。

一と護と美姫は幼馴染で小さい頃からずっと一緒だった。


「立つって?」


「転入生との恋愛フラグ」


「立たないよ」


一は小さく笑う。


「どうしてそう思うんだ?」


「だってほら、僕はジンクスがあるし……」


「そんなの吹きとばせー!」


美姫がそう言って一に体当たりをする。


「僕が吹き飛びかけたよ」


一の言葉なのなかったかのように美姫は言う。


「神さまって本当にいるのかな?

 いるんだったら。

 一は頑張ってるし、その頑張りを認めてジンクスを免除!

 とかなんないかな?」


「なんないよ」


一は即答する。

そんな会話をしていたら教師が入ってくる。

1時間目がはじまる。

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