第3話

あなたが帰省してから、初めて電話をしました。あなたは私が周囲の人に、あなたの話をするのを嫌がると思ったので、私が不意に疑問に思ったかのように装い、「そういえば、ふと思ったんだけど、、、」と言葉を濁しながら、少し怯えながらあなたに聞きました。「もしかしてだけど、現在進行形でね、今、彼女いたりしないよね?」やっとの思いでこの言葉が出てきました。よし、言えた。言えたはいいものの、本当に彼女がいた場合のことを何も考えていませんでした。いませんように、、、心の中で何度もそう願いながら相手の答えを待ちました。「え、今?いないよ。今更だね笑」あなたの言葉に私はほっとしました。もしも「いるよ」と言った時には、なぜあなたは彼女がいながら、私と何度も会い、手を繋ぎ抱きしめ、キスをしたのか、問い詰めてしまうところでした。あなたの「いないよ」という言葉に私は心底安心しました。

私はもしかしたら、彼女になりそうないい感じの人はいるかもしれない、!と心配になってしまったもので、あなたに聞いてしまいました。「いないよ!いそうに見える?俺がそんなに充実しているように見える?」そう言いました。いないことに安心すると同時に、私はあなたの恋愛の対象ではないんだと思ってしまいました。相手の気持ちは分かりません。私の考えすぎという可能性もあります。ですが実際、私はあなたに「好き」という言葉もそのようなことを匂わせる発言もされたことはありません。やはり、そういうことなのでしょうか。そうだとしてあなたは、私があなたのことをどう思っているのか感じ取っているのでしょうか。私のあなたへの態度は、どう捉えられているのでしょうか。どの考えにしても複雑で仕方ありません。好きという気持ちがバレていたとしたら、あなたは思わせぶりな人だと思うし、知らないというのならあなたはどれだけ鈍感な人なのでしょう。

人に好意を伝えることは、決して恥ずかしいことではないと思います。自分の好きな人にはその気持ちを伝えるべきだとさえ思います。ですが私は、あなたに対しての私の気持ちが、迷惑ではないかと心配なのです。この気持ちを伝えてしまったら、あなたに拒絶されるのではないかと、

あなたを考えてのことですが、それ以上に自分自身が傷つきたくないからなのでは、とも思います。もし迷惑がられ、拒絶された時、私はきっと、より自分に自信をなくしてしまうことでしょう。生きてる意味さえ、失ってしまうかもしれません。

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