GPT-4 vs Claude 3 長編小説の批評の比較
次に12万文字程度の長編小説の批評をしてもらいました。
▼対象作品
AIに読み込ませる対象作は12万文字程度のある自作となります。
▼検証方法
GPT-4とClaude 3(Opus)にそれぞれ以下のプロンプトを投げて、結果を比較します。
▼プロンプト
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以下の小説について1000文字程度で要約し、批評してください。
※本文のテキストファイルをアップロード※
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▼Claude 3のレスポンス
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要約:
「【秘密!】」は、久魯川稲荷神社の眷属の狐・燐火が、神の宇迦之御魂神(ウカノ)の命を受け、奇妙な商売を見守る物語である。燐火は商い帳に記された商売の霊視を通じ、夢屋、埋葬屋、修理屋、復讐屋などの特異な商売とそれに関わる人間の運命を垣間見る。それらの商売は人間の欲望や苦しみと深く結びついており、燐火は人間という存在への理解を深めていく。物語の最後で、【秘密!】ことが明かされる。ウカノの導きにより【秘密!】のだった。
批評:
本作は、非日常的な設定の中で繰り広げられる人間ドラマを丁寧に描いており、ファンタジーとリアリズムが絶妙に融合した秀作である。
商売を通して描かれる人間の姿は、どこか歪んでいながらも、愛情や絆、夢への思いなど、普遍的なテーマが織り込まれている。
特に、最終話で明かされる【秘密!】は驚きであり、【秘密!】の物語として読み直すと、作品により深みが増す。
神や異形の者の視点から人間を見つめる構成も新鮮であり、視点の転換により人間存在の本質に迫ろうとする作者の眼差しを感じる。
欲を言えば、個々のエピソードをもう少し掘り下げても良かったかもしれない。
全体としては、非現実と現実を行き来しながら人間の本質を問う、極めて秀逸なファンタジー作品に仕上がっていると言えるだろう。
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▼GPT-4のレスポンス
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『【秘密!】』は久魯川稲荷神社を守る狐、燐火と神様ウカノミタマの物語。燐火は人間の商いを霊視し、特に夢を売買する「夢屋」とその顧客たちの人生を見守ります。一方、人間界では日取奈保子が自らの夢と現実の間で葛藤しており、彼女の過去の夢を「夢屋」で売買する過程を追います。物語は夢と現実の狭間での人間の苦悩と成長を描き、夢を追う意味に深く迫ります。
批評として、本作は幻想的な設定の中で人間の内面と葛藤を繊細に描き出し、読者に深い共感を呼び起こします。燐火の霊視する「夢屋」という独特の設定は、人間の夢や希望、後悔を象徴的に表現し、現実世界の価値観を問い直させます。また、奈保子と香澄の物語は、人生の選択とその結果に対する深い洞察を提供し、夢を追うことの重要性と複雑さを示しています。この小説は、夢と現実の交錯する場所で起こる人間ドラマを通じて、読者に夢追求の意義と人生の多様性を考えさせる作品です。
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▼比較結果
GPT4は、全部で6章まである中の、第一章のみ認識してくれました。このあとあらためて、あらかじめ全体のあらすじや章立てを伝えることで、ましになっていきました。
(前のGPTの記事でも触れていますが、GPTでは、Instructionsにあらすじを書き込んで、その上で本文をアップして、なんとか同等くらいでしたね)
これは断然Claude 3が優秀!
原文を投げ込んだだけで、Claude 3はストーリー構成を完全理解しました。
伏線とどんでん返しの構造を理解して、見事にネタバレしてきます。
一分くらいでここまでの分析をしてくれます。
それに、エピソードごとの掘り下げの甘さも指摘してくれました。
もうちょっとやってみます。
気になる瑕疵のチェックとして、未回収の伏線を教えてもらいます。
▼プロンプト
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未回収の伏線はありますか?
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▼Claude 3のレスポンス
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未回収の伏線について、具体的に指摘させていただきます。
ウカノの役割 ウカノは物語全体を通して重要な役割を果たしていますが、その具体的な能力や目的については十分に説明されていません。ウカノが燐火に課した試練の真の意味や、ウカノ自身の過去など、より深く掘り下げることができるかもしれません。
久魯川市の秘密 久魯川市に起こる奇妙な出来事の背景には、「久魯川市の秘密」があることが示唆されています。しかし、その秘密の全容は明らかにされていません。都会の負のエネルギーを吸収するという設定は興味深いですが、より具体的な説明があってもよいかもしれません。
各話の登場人物の その後 各話の登場人物たちは、それぞれ印象的な物語を体験しますが、その後の人生については語られていません。彼らが経験した出来事が、その後の人生にどのような影響を与えたのか、エピローグなどで触れられると、より物語に奥行きが出るかもしれません。
…………
そのほかいろいろ
…………
これらの点は、物語の核心部分に関わる重要な要素ではありますが、いずれも完全に未回収というわけではありません。むしろ、読者の想像力に委ねられている部分だと言えます。
物語のすべてを説明してしまうことは、かえって作品の魅力を損なう可能性もあります。
伏線の回収と、読者の想像力のバランスを取ることが重要だと思います。
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▼未回収の伏線の結果
Claude 3は原文を与えただけで、結構な数の弱点を教えてくれました。
(焦りますね!)
いずれも大変鋭い指摘です。
GPT4は、全体のあらすじやプロットを別で教えこめば近いことをやってくれそうですが、原文だけではまるで無理でした。(GPT-4もすごいですが、小説に関してはやはりClaude 3にはかなわないか・・)
この添削は、人間にお金を払わないと受けられないレベルのサービスかもしれないですね。
これに限らず、『日本語の理解』がすごいので、色々な活用ができそうです。
次はClaude 3に、魅力的なキャラクタートップ3を聞いてみます。
繰り返しですが、12万文字の長編小説を一分たらずで分析し、人間の視点でキャラクタートップ3を出せたらヤバイと思いませんか?
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参考になったら、応援などいただけるとうれしいです!
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