第2話 株を買ってもすぐにお金が増える訳ではない

 早速、信用取引で株を買う。


 日本銀行がマイナス金利を解除した今、これからは金利上昇の局面を迎える。


 そうなったら、不動産の価値が上がる。


 金利が上昇するということは、物価が上がっているということなので、現金を資産に変える人が増える。


 よって、大型の資産として有名どころである不動産の価値が上がるのだ。


 不動産の価値が上がるということは、不動産を大量に持っている企業の株が上がる。


 特に土地を転がしている企業の株が上がる。


 もう上がっている株が多いので、出遅れ感のある株を狙う。


 目を付けたのが、これだ。


【証券コード3291 飯田GHD】


 さらに、熊本に半導体製造に向けた設備が建設されることになっている。


 ということは、人もそこに集まる。


 熊本も地盤である注文住宅メーカー。


【証券コード1431 LibWork】


 前者200株、後者500株を購入だ。


 …………。


 買っても値がほとんど動かない。


 チャートに囓りついていても暇だし、他のことをやって過ごすとしよう。


 取引終了。


 さてさて、本日の利益はどんなも……の?


 お 金 が 減 っ て い る !?


 総額にして5000円少し……。


 30万円を元手にしているから、そう気にする額ではないが……。


 まぁ、そりゃそうだ。


 1日で簡単にお金が増えるなら、誰も働こうとはしまい。


 果報は寝て待てだ。


 お金が減ったからと言って、損切りばかりしては増えるものも増えない。


 特に株は、上がり続けることも下がり続けることも無い。

 上がってはちょっと下がり、また上がってはちょっと下がるを繰り返すのだ。


 しばらく様子を見ることにしよう。


 信用取引はいくつか区分があり、俺がやったのは『一般信用取引』だ。


 手数料こそ駄菓子屋みたいな値段を取られるが、信用取引に係る金利が掛からない。


 ただし、買ってから半年以内に売らねばならない。


 半年でどこまで上がるか。


 それとも、ひたすらに下がり続けて損切りするのか。


 損切りライン15000円、利確ライン30000円だ!


 待てよ? 月曜日は給料日だったな……。


 ふふふふふ、良い事考えた。


 明日も忙しくなりそうだ。

 

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