ネタバレあり「ツルネー風舞高校弓道部ー2」
著 綾野ことこ
キャラクターデザイン 森本ちなつ
イラスト 京都アニメーション・アニメーションDo
一巻では主人公湊と愁の因縁など、以前から続く人間関係が主でしたが、二巻では愁と遼平が仲良くなったところなど、元は接点のなかった人物同士が新しく関係を築いていくのが面白かったです。
ラストで遼平が矢を外して負けてしまうのですが、遼平を愁が励ますのは二人が中盤で絆を作ったからこそです。序盤、中盤でできた絆がラストにまとまると、最後まで読んでよかったという気持ちになります。
二階堂のペースに巻き込まれて調子を崩していた湊が、試合前にはっきり言葉で伝えたいことを言ったのがよかったです。
愁は家族とうまくいっていないと思っていましたが、ラストで家族が応援にきてくれました。
引き籠っていた遼平の姉がラストで外に出ました。
皆がそれぞれ前に進んでいるのが読んでいて嬉しいです。
私は今回、ツルネ2巻の弓道の試合を読んでスポーツ小説の良さを改めて実感しました。
矢が的にあたった、外れた、と一人一人書かれているのを読み進めていき、試合の結果を読んでいく中で、文字を追うことの楽しさを実感しました。
例えば映像作品や漫画では、試合結果を見せられて、視聴者や読者は受け身になります。
だけど小説は能動的に読者の意思で一文一文目で追い、頭で想像していく事になります。
結果を見せられるのではなく、読者の意思で結果を読む。
読者のテンポで、読者の読む力で、試合の結末までたどり着く。ドキドキしながらも、結末を知るのが怖くても、読むのをやめられない。
それがスポーツ小説の良さなんじゃないかと思いました。
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