リリスの目覚め - A Tale of Unholy Lust and Dark Desires -
ケバエロスキー
序
正義は勝つ。
この言葉は多くの人々に好まれ、多くの物語によって支えられてきた。どんなに強い悪が立ちはだかって苦境に立たされようとも、ヒーローは必ず乗り越え、さらなる力を手に入れて、悪を打ち負かす。ヒロイックファンタジーの高い人気がこの証左で、ベーオウルフ、西遊記、指輪物語、英雄コナン、ナルニア国物語、ハリー・ポッターと、古今東西、枚挙に
しかし、現実はどうか。殺人、詐欺、窃盗、麻薬の密売。どれも日常茶飯事、あって当たり前だ。被害者は泣き寝入りするしかなく、そればかりか、正義の味方であるはずの警察が犯罪組織と結託していたなんてこともあって、まったく正義が勝っているように思えない。「巨悪は倒れず」というほうが正しいのではないか。
今回私が持参したのも、そんな巨悪は倒れずの物語だ。
物語の扉を開く前に、予め警告しておこう。
この物語は陰惨で、背徳的で、身の毛のよだつような結末を迎える。
正義が破れ、悪が栄える。
勧善懲悪こそを是とする紳士淑女諸君は席を立ち、そのまま離れることをおすすめする。
――さて。今なお残っておられるということは、覚悟はできているということだろう。
それでは、物語の扉を開こう。
醜く捻じ曲がった残虐で邪悪な物語をお楽しみあれ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます